約 3,515,410 件
https://w.atwiki.jp/macinakapiano/pages/502.html
大津SA ハイウェイピアノ 写真未入手 演奏可能時間 8 00 - 18 00 (平日) 7 00 - 19 00 (土休日) 設置期間 2020年7月9日 - 現在 (2021年3月31日までの予定) 設置場所 滋賀県大津市朝日が丘2-8-1、PAVARIEびわ湖大津 アクセス 【行き】京阪石山坂本線 唐橋前駅から車で15分。 【帰り】JR琵琶湖線 大津駅まで車で3分。 最寄空港: ・伊丹空港から 遠方各地: ・赤穂から ・鳥取から ・金沢から ・高山から ・東京から 隣接地域: ・大阪から ・今津から ・八幡から 地域中心: ・八幡市街から 設置ピアノ ヤマハ グランドピアノ 設置環境 近隣のまちなかピアノ ヨドバシカメラ マルチメディア京都: 大津駅から列車で10分(大津→京都)、京都駅下車、徒歩6分。NAVITIME検索結果はこちら。 その他 アクセス道路が高速道路のみなので、徒歩・公共交通機関でのアクセス不可。 行きは瀬田南IC、帰りは大津ICが最寄りの出入口。 関連リンク
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/857.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 401 体2/コメントログ」 ○ーめん?・・・だ○こん?・・・ おお、卑猥卑猥 -- 2011-01-21 22 42 24 子供の描写うまいw -- 2011-06-04 06 26 04 先生は虐待お兄さんなのかー?加工所の人間なのかー? -- 2011-10-12 11 07 06 さすが子どもwwパネエwww -- 2012-04-21 17 44 26
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2039.html
■品種改良415号報告書4■ 野生種といった改良種でない既存のゆっくりを母体に選び、妊娠前から母体に投薬をおこなうことで、 次世代のゆっくりの知能強化等を図る本実験415号計画の途中経過について記す。 コストパフォーマンスと管理の点から鑑みて、本計画に使用する薬品はA薬を採用することになった。 以後の実験はA薬のみでおこなう。 注意していただきたいのは、B薬は決してA薬に劣るものではないこと。良品であり、むしろ強化という面ではA薬を遥かに凌ぐ。 (とはいえ、母体への投薬によって赤ん坊の知能が向上しているにも関わらず、舌足らずな喋りである点はA薬B薬ともに共通であり、関係者は首をひねるばかりだ) 知能強化はもとより効果は身体強化にもおよぶ。 (御存知のかとは思うが、投薬された母体のゆっくりの能力向上は一切存在しない) (415号実験での母体は全て植物型出産である。ニューボーンが小型であり多産であった方が投薬の効果を確認しやすいためだ) 効き目が強いためか、結果が表に出るのも早く、目覚めたばかりの赤ん坊の時点でその効果が明らかにみられるのだ。 ひどい話になると、生後15分の赤ん坊ゆっくり達に指導される親ゆっくり――というケースも誕生する。 実験施設の餌の採り方を赤ん坊から教わったり、子供より先に体力の限界が訪れ動けないとぐずる親。果たして面倒をみてもらっているのはどちらなのか。 基本的にゆっくりは純粋なモノであるため、投薬による能力差の逆転が発生しても彼ら親子の関係は良好である。 子は親を慕い、親も子に妬みを抱くことはない。ただ、ゆっくりという種特有の愚かさから、親が事故を起こすことは多々ある。 なお、ゆっくりに“慕う”“妬む”、それ以前に感情が存在するのか? という問題は本件とは別であるため考慮しない。 B薬の問題点について軽く記す。 (詳細なB薬の報告書は担当者が提出済みであるため、そちらを参照されたし) B薬の問題点は“一代限り”であるということ。 薬によって生まれた有能な子世代の能力を、孫世代以下はまったく受け継がない。 何度か実験を繰り返したが、孫世代の知能・身体能力の全ては親世代のそれである。 毎度毎度の実験で、頭の良い子世代が、能力的に劣る親世代・孫世代を不思議がるのはもう笑えなくなってきた。 何故受け継がれないのかは依然不明であるが、さすがはゆっくりブレインと言しか言いようがなく、研究員一同、苦笑いするしかない。 (笑えないのに苦笑いなのか、という意見は却下させていただく) これでは意味がない。我々が欲するのは永続的な改良種である。 能力に向上があったとしても、次の世代にそれを残せなくては無意味であり、たとえ向上がわずかであっても次世代に受け継がれる方を良しとする。 本研究の目的に適さず、なおコストがかさむため、以降の415号実験にはB薬は使用されない。 繰り返すがB薬は良品である。他の実験でB薬が日の目をみることを、研究者の一人として望まずにはいられない。 これらの理由により。本日13:00を持って、品種改良415号B薬被検体は廃棄処分となる。 (415号実験での母体は全て植物型出産である) 他の部署が実験用ゆっくりとして、品種改良415号B薬被検体の提出を要望した場合、供与して良い。 また外部に持ち出さず研究所内部に限るが、関係者による品種改良415号B薬被検体の使用が、昨日許可された。 各人存分に楽しんでいただきたい。ただし、書類は提出すること。私の分も残しておくこと。この二つを守られたし。 ■――――以上――――■ 「すーや……すーや……すっきりー!!!」 黒髪に赤いリボン、少女の顔をデフォルメしてデザインされたような饅頭。通称ゆっくり。 その一種であるゆっくりれいむは実に幸せそうな顔で目を覚ました。 「ゆゆ? へんなきがするよ! でもしあわせー!!!」 直径15cm前後の成体れいむが立つのは、直径5cm幅の円柱の上。 足場の狭さから身動きがとれない場所ではあるが、固定された彼女が気にすることはない。 生まれ落ちた頃より、とんだりはねたりとは縁のなかった彼女だ。 今更あわてることではなく、動き回れなくとも、いつだって美味しい食べ物は向こうからやってきた。だから、しあわせー!!! 「……しあわせー? ゆっ! そうだったよ! れいむはあかちゃんができてしあわせなんだよ!」 生体れいむは親れいむ。昨日の朝にお母さんになったばかり。しあわせれいむだ。 頭部に蔦を生やし、葉(の様なもの)を茂らせ、赤ちゃんゆっくりを実らしたゆっくりの姿は……。 見ただけでしあわせそうだな、と思わせる要素を多段に含んでいるのも確かだ。 頭上に実る赤ちゃんゆっくり達を見上げるためか、それとも「思い出したれいむ偉い」と胸をはっているのか、ふんぞり返る様な動作の親れいむ。 その所作で親れいむの下腹部に付けられた薄いプレートが姿を見せた。 【実験No.46B 母体(親子廃棄)】 「ゆーゆー♪ あーかちゃん♪ おかーさんとゆっくーりしようねー♪」 2~3cmサイズのちいさなちいさな可愛い赤ちゃん。 ごきげん笑顔で歌を歌う親れいむ。しあわせでしあわせで仕方がない。 早く蔦から赤ちゃんが切り離されて、ぽてちんと地面に生まれ落ちないものか。 親れいむの視界に映る赤ちゃんは、れいむが2種、まりさが1種。 見える範囲で3匹の赤ちゃん。だったら「もっといっぱいいるよ!」と勝手なビジョンを思い描いている。 それは正しい。確かに赤ちゃんは4匹以上。 ただそれが真っ当な想像力によるものではなく、ゆっくりブレインしあわせブレイン。 こうあればいいという勝手な願望にしかすぎないのだ。 周りを見ずに、己の都合のいい事だけしか頭にない。これが普通のゆっくりである。 「……ゅ」 「……ゆ?」 親れいむの頭上で声が聞こえた。 「ゆー?」 何事かと思い、親れいむが首を傾げる(様な動作をする)。 動きにあわせて、葉と葉が重なりあい、ガサガサと音を立てた。 それが合図であったのか、 「ゅ!」 「ゅぅ……ゅぅ……」 「……ゅ! ゆゆっ!」 蔦に実った赤ちゃんゆっくりの何匹かが声を出し始め、その内の1匹が目を開いた。 「ゆっくちー!」 世界への目覚めの挨拶。 一番最初に目を開いた赤ちゃんれいむは、元気よく叫んだ。 おそらく彼女がこの姉妹の長女になるのであろう。 挨拶をすませニコニコとごきげん赤ちゃんれいむ。 「ゆ! れいみゅのおかーしゃんはどこかにゃ?」 蔦に繋がったままであるため、軽く身をひねる程度ではあるが、 母親を視界にとらえよう、見つけようと赤ちゃんはきょろきょろと周りを探す。 「おかーしゃん?」 「ゆゆ! ひょっとしてれいむのあかちゃん!? あかちゃんなの!?」 「ゆー! おかーしゃんはしたにいるんちゃね!」 この時点でようやく親れいむは、赤ちゃんれいむが目覚めたことに気がついた。 ワンテンポ早く、赤ちゃんれいむは母親の位置を把握し喜ぶ。 「おかーしゃん! れいみゅだよ! いっちょにゆっくちしよーね!」 「ゆゆー!? ゆゆゆゆ! ゆっくりしようね!!!」 本来、植物型出産の赤ちゃんは、蔦から切り離され、地面に落ちた衝撃で目覚め、言葉を発する。 そのプロセスと違い、蔦に下がった状態で既に挨拶をはじめた赤ちゃんれいむ。 そういう理由もあり、事態をまだ把握し切れていない親れいむだが、そんな事は些細なこと。 赤ちゃんが目覚め、自分に声をかけてきてくれた事が何よりの喜び。 きゃっきゃと会話を楽しむ2匹の声に反応し、他の赤ちゃん達も目覚めだした。 「ゆーゆっくちー!」 「おひゃよーおねーしゃん」 「ゆゆ! おねぼーしゃん」 「まりしゃだよー」 「まりしゃもまりしゃだよー」 「れーみゅもいるよー!」 「みんにゃゆっくちちてねー」 『ゆっくちー!!!』 皆仲良し赤ちゃんゆっくり姉妹。 「ゆーん! あかちゃんたちゆっくりしてるのー?」 「ゆゆっ! おかーしゃんだよ! みんなあいしゃつしよーね?」 『おかーしゃーん!!!』 「ゆゆー!」 親れいむは、ゆーんと感動で瞳をうるうるさせている。 自分の赤ちゃんはなんとゆっくりした子供達なんだろう。 「ひーひゅーみーよー……ゆ! おかーしゃん!」 「ゆ?」 「れいみゅちゃちがよん! まりしゃちゃちがに! ろくしまい!!」 長女の赤ちゃんれいむが親れいむに姉妹の数を報告する。 親れいむの赤ちゃんは、れいむ種だけでなく、金髪に黒の三角帽子がトレードマークのまりさ種がいるようだ。 れいむが4匹、まりさが2匹、合計6匹。 本来は30を超える大姉妹達であったのだが…… この家族は投薬の効果を高めるため、今の数まで間引きされている。 もちろんそんな事実を親れいむも姉妹達も知るよしもない。 ついでにいえば、親れいむに6という数字の概念はない。 「ゆゆー! いっぱいいるんだね! れいむはうれしいよ! しあわせー!!!」 そのため、純粋に赤ちゃんの誕生を祝うのみである。 「そうちゃよ! いっぴゃいいるよ!」 『いっぴゃいいっぴゃい! ちあわちぇー!!!』 「ゆーん! すごくゆっくりしたあかちゃんだね!」 親れいむはうれしくてしかたがなかった。 だからこそ早く赤ちゃん全員の顔をみたくてみたくてしかたがなかった。 その雰囲気を、赤ちゃんゆっくりは感じとっていた。 顔をみたいのはこちらも同じこと。 早く蔦から離れ、愛する母と正式に対面して、「ゆっくちしちぇいちぇね!!!」と言ってあげたい。 先ほどから、一匹たりともとそう叫んでいないのは、無意識からの行為。 真にゆっくりできる場所は母の傍。蔦に繋がったここではないのだ。 「おかーしゃん! れいみゅがいくよ!」 一番最初に親れいむの元へと顔を見せたがったのは、親れいむの真上に実ったれいむだった。 この赤ちゃんれいむは、蔦の中心部に実っていたため、親れいむの声も聞き辛く、 葉に視界を邪魔されて景色を楽しむこともできずに寂しい思いをしていたのだ。 主張のために、ぷるぷると身を震わす。一緒に揺れるリボンには―― 【れ-4】 ――と、書かれた小さいタグが付いている。 タグは姉妹全てが付けていたが、彼女達は飾り程度にしか認識していない。 れいむもまりさも関係ない、仲良し姉妹のおそろい飾りだと。 「ゆーじゅるいよー」 「ゆ! そんにゃこといっちゃ……め!」 「ゆー! れいみゅはすねただけちゃよまりしゃおねーしゃん」 「わかっちぇるよ! みんにゃにゃかよしねー?」 『ねー?』 「じゃあいっておいちぇ!」 ゆっくり姉妹は仲良し姉妹。 みんなわかっていたのだ。彼女が寂しいことも、最初にいかせてあげるべきだとも。 姉妹に祝福され、赤ちゃんれいむは再度、身を震わせる。 今度は蔦から自分を切り離すためのものだ。 「ありがちょー! ゆっくちいくよ!」 『ゆっくちゆっくち!!!』 「ゆ……ゆ……ゆっくちー!」 プチンと軽い音とともに、赤ちゃんれいむの頭は開放感を得た。 今まであった愛する母との繋がりを失いはしたが、赤ちゃんれいむに悲しさはない。 いわば儀式の様なものである。古い繋がりを捨て、新しい親子の繋がりを得るのだ。 これからのことを思い、笑顔の赤ちゃんれいむは落ちていく。 ぽてちんと、親れいむの額で跳ねてワンクッション。 「ゆゆ~ん♪」 「ゆー! れいみゅのいみょーとおしょらをとんでるみたい!」 「おかーしゃんがゆっくちしゃせてくれちゃんだね!」 「ゆっくちおちちゃらじめんしゃんでいちゃいもんね!」 「おきゃーしゃんありがちょー!」 「まりしゃちゃちのおかーしゃんはゆっくちしてるね!」 赤ちゃんれいむはしあわせを感じていた。 優しいお母さん。お母さんの顔はどんな顔なんだろう。 背を向け、母の額から跳ねて落ちる赤ちゃんれいむは、楽しみでしょうがなかった。 お母さんに言う言葉は決めている。「ゆっくりしていってね!!!」だ。 その次はどうしよう。嬉しすぎてその次は考えていなかった。 言いたいこともしたいこともたくさんある。そうだ。綺麗に着地できるかな。 続く姉妹の手本になればいいな。上手くできたらお母さんは褒めてくれるかな。 次々と考えが浮かんでくる。赤ちゃんれいむの目はしあわせに輝いていた。 「ゆ~ん♪ 」 「…………ゆ?」 なにやらおかしい。 いつまでたっても、姉妹の「ゆっくちしちぇいっちぇね!!!」が聞こえない。 流石にゆっくりしすぎではないだろうか? 赤ちゃんゆっくり姉妹は各々首をひねった。 「おかーしゃんれいみゅは?」 「ゆ! まだー? れいむのかわいいあかちゃんまだなのー?」 挨拶が聞こえない事を疑問に思った長女れいむが、親れいむに声をかけたが…… 返ってきたのは催促の声。 姉妹達の中で不安が高まっていく。 のん気な母の声に感情を動かされながら、おそるおそる長女れいむは再度訊ねた。 「おかーしゃん……れいみゅのいみょーちょのれいみゅは……いにゃいの?」 「まだだよ! れいむのあかちゃんゆっくりしすぎだね! あかちゃんにあいたいよ!」 『ゅ゛ーっ!?』 異常だ。 先に落ちた姉妹は、怪我をして声を出せないわけではなく、“そこにいない”。 赤ちゃんゆっくり姉妹は驚愕に身を震わせた。 互いに目をあわせ、頷きあう。 “お母さんはまだ何も知らない。心配させない様にまだ黙っておこう!” 一緒の母から生まれた姉妹。思うことはみな同じだ。 そう誓い、現状を把握すべく、姉妹達はきょろきょろと動ける範囲で身を動かす。 生まれたばかりという理由もあり、家族に会えた喜びに浸って周りが見えていなかった。 先にこうしておくべきだと、もう少し注意をしておくべきだったのだと。 幼さにあわぬ考え。 しかし、生まれ持った知能の高さ故に、姉妹にとってそれは当然のこととして認識されている。 「ゆゆっ! おねーしゃんじめんしゃんがとーいよ!?」 「ほんちょ! どうじぢぇぇぇぇぇぇ!?」 「おかーしゃんのいるびゃしょはせまいにょぉぉぉ!?」 「まっちぇね! まりしゃもみゆかりゃまっちぇね!!」 「なんぢぇー!? どーいうこちょー!?」 そして、その知能の高さ故に、彼女達は自分が置かれた事態を把握し、恐怖に泣き叫んだ。 泣き叫びながらも、親れいむに心配をかけないようにと、全員がなるべく声を押し殺していたことは特筆に価する。 「ゆ? あかちゃんたちにぎやかだね! おかあさんをなかまはずれにしないでね!」 「ゆゆっ!? おかーしゃんちょっとまっちぇちぇね!」 「ゆ? ゆっくりまつよ!!!」 親れいむに待ってとお願いし、赤ちゃんゆっくり姉妹は状況を整理することにした。 幸い、親れいむはゆっくり待ってくれている。今は。 姉妹全員が得た情報を集めると、だいたいこういうことがわかった。 ●お母さんは何か長くて高いものに乗っていること。 ●おそらくお母さんの座っている場所は狭くて、他の皆は乗れないだろうということ。 (親ゆっくりが固定されているのは、幅5cm・長さ1.5mの棒の上である) ●そのため、自分達は地面さんからとても遠くて高いところにいること。 ●地面さんは色んな種類の綺麗な色だということ。 ●この高さから落ちるとどうなるの? ●……ゆっくりできないんじゃないかな。 「ゆゆゆっ! だいじょーびゅだよ!」 「まりしゃ!?」 「ほら! おかーしゃんとおなじくりゃいのたかしゃにもじめんしゃんがありゅよ!」 よく見れば、親れいむから離れた位置に、同じ高さの地面がみえる。 今いる場所からそこまでの距離は、親れいむ1.5匹~2匹分の幅だろうか。 「おかーしゃんがぴょんしちぇくれれびゃみんにゃたすかるよ!」 「おかーしゃんならいけりゅね! おかーしゃんここかりゃむきょーにぴょんしちぇね!」 「おきゃーしゃんぴょん!」 「ぴょん!」 「ゆ? ぴょんってなーに?」 『ゆ゛ぅぅぅぅぅう!?』 成体ゆっくり2匹分の幅。 自分達では無理だろうが、大きなお母さんなら跳び越えられる! そんな姉妹の希望は即座に打ち砕かれた。 5cm幅の足場での跳躍。難しいかもしれないが、一般的なゆっくりなら可能であったかもしれない。 が、この親ゆっくりは、生まれ落ちた時には既に、運動能力を削がれていた。 主な生活場所は1匹用の水槽。たまにみる仲間も同様、運動能力を削がれた個体。 動けずとも、餌は研究員が食べさせてくれた。 最初から運動はできず、運動という行為を見聞きすることもなく知らず、動けずとも不満はない。 まったく動けないわけでもない。暇なときは上下左右に体を揺らしたり、軽く身をひねる。たのしい。 そうやって、ずっとゆっくりしてきたのだ。これまでも、そしてこれからも。 「ゆっゆぅぅぅぅぅぃぃぃっ!! おかーしゃんごめんにぇぇぇ!! みんにゃごめんにぇぇぇ!!」 「ゆ? ゆ? あかちゃんなんであやまるのー?」 親ゆっくりに“ぴょん”の説明をしている途中で、赤ちゃんまりさは気付いてしまった。 理由はわからないが、母親が運動をおこなえないこと。それを理解できないことに。 だから、自分の不用意な発言が、母を傷つけ、みなに余計な希望を持たせたと、赤ちゃんまりさは思った。泣いた。 「まりしゃなきゃないちぇね!」 「……まりしゃ?」 泣く赤ちゃんまりさをなだめたのは、もう1匹の赤ちゃんまりさ。 ちょうど、親れいむの左右に実った赤ちゃんまりさ2匹は、互いの顔を合わせたことがない。 6姉妹の中でまりさ種は2匹だけ。 他の姉妹も大好きだったが、同じまりさ種同士の仲間意識がなかったといえば嘘になる。 その顔も知らない、言葉を交わすだけの姉妹が、自分を励ましてくれている。 「ないちゃらおかーしゃんもみんにゃもきゃなしーよ?」 「そうちゃよ! れいみゅちゃちもきゃなしーよ!」 「みんにゃ……」 雨降って地固まる。 結果として姉妹・家族の結束を強くする出来事となった。 見方を変えれば選択肢のひとつが減って、尻に火がついたといったところだが。 「まりしゃはまりしゃでしょ! しみゃいのいきおいににゃるんちゃよ!」 「……ゆ、まりしゃ……ありがちょー」 「まりしゃなきやんぢゃね! まりしゃしゅごいね!」 「ゆー! まりしゃはしゃっきもたくしゃんのことをおしぇーてくれちゃね!」 「でみょむりしにゃいちぇね!」 励ました方の赤ちゃんまりさは、親れいむの左外側に伸びた蔦の一本に生っていた。 その環境と持ち前の行動力で、限界ぎりぎりまで身をひねって、周りの情報を集めていたのだ。 現に姉妹が手に入れた情報の多くは、彼女からもたらされたものが多い。 長女れいむは、そんな勇敢な妹まりさを誇りに思っていたが、同時に危うくも思っていた。 蔦から切り離されるとき―― それは赤ちゃんが落ちても大丈夫なぐらい成長した結果、その自重で落ちる。 あるいは(ある程度成長しているという前提がつくが)、外敵に襲われた場合、 刺激によって目覚めた赤ちゃんが、体を揺すって自力で蔦との繋がりを切って逃げる。 あとは成体ゆっくりが切り離してくれる場合だが、前の二例ともに蔦が離れやすくなっている。 今の姉妹は、生まれ落ちる準備ができているため、蔦は動き回れば切り離されやすく、例え動かなくとも自然に切り離される。 後者の理由で赤ちゃん達は急いで対策を立てる必要があり、前者の理由で長女れいむはまりさの行動を心配していた。 今もまた、まりさは体をひねって下界を見下ろそうとしていた。先に落ちたれいむの姿を探しているのだろう。 「ゆー! みゅりじゃないよ! みんにゃのためにゃらまりしゃにちょっちぇ――」 プチンと音が聞こえた気がした。 「――ゆ?」 音と一緒にまりさの体が軽くなった気もした。先ほどまで見えなかった景色が目に入ってくる。 姉妹達が見つけたかったものが……見えた。 「れいみゅおねーしゃん――」 ――まりしゃのいみょーとのれいみゅいたよ? このまま落ちると姉妹がどうなるのか。 先に落ちた赤ちゃんれいむがどうなったのか。 これから自分がどうなってしまうのか。 赤ちゃんまりさは、ゆっくりと理解し……姉妹の視界から消えた。 「…………」 「…………」 「…………」 「……まりしゃーっ!?」 「まりしゃおねぇーしゃぁぁぁぁん!?」 「ゆー!? ゆー!? まりしゃがどうしちゃの!? まりしゃのしみゃいのまりしゃどうしちゃのー!?」 自分の見えぬ場所で何が起こったのか? 泣く自分を慰めてくれた姉妹が何故、泣き出したのか? 赤ちゃんまりさはわからなかった。わからなかったからこそ不安でたまらなかった。 もう一匹のまりさが、まりさがどうなってしまったのか? 「……ゆっぐ……ゆっぐ」 「……おちちゃった。れいみゅのいみょーとのまりしゃ……おちちゃった」 長女れいむが嗚咽を堪え、幼いなりに努めて冷静に、残った赤ちゃんまりさに事実を告げた。 姉妹がどうなったのかを伝えられた。……が、頭がついてこない。 それでもゆっくりと、ゆっくりブレインにその意味が染みこんでくる。 ……顔をみたことのない、もう1匹のまりさとはもう二度と会えない。 理解がおよんだとき、色んな感情が堰をきって流れ出そうになる。 「……ゅ……ゅぁ……っ……ゅぁ」 「りゃめ! にゃいちゃりゃめ! おかーしゃんがかなしみゅよ!」 「……ゆっぐ!」 そうだ。親れいむを悲しませてはならない。 皆で誓った。先ほど母を悲しませてしまった時、あのまりさが止めてくれた。 ここで自分が泣けば、尊いその行為を無駄になる。残された赤ちゃんまりさは、堪えた。 無駄にしないために。あの姉妹の行為を無駄にしないために。 その思いは残された姉妹も一緒。ゆっくりするよ!!! 心は一つ。 と、赤ちゃんゆっくり達はイベント満載であったが、頭上のドラマを知らぬ親ゆっくりは暇であった。 いつまでたっても、赤ちゃんが顔を見せてくれない。 待っててと言われたが、まりさと聞いて視線を上にやれば、目に見える赤ちゃんは2匹。 「ゆ~? そういえばまりさがいないよ~? どこーまりさどこー?」 のん気なことを言う。 母の言葉に子供達は震えていた。言えるはずがない。 母を思って押し黙る赤ちゃん達であったが、親からすれば返事がないだけのこと。 待てといわれ相手にされない。 親れいむは待っていてもよかった。ずっと1匹でゆっくりしていてもよかった。……いつもなら。 しかし今は話が違う。赤ちゃんが生まれ、親れいむは1匹ではなくなった。 一緒にゆっくりしたい。その欲求を満たしたいのだ。 「れいむのあかちゃんゆっくりしすぎだよ? ゆゆ! そうだ! おかあさんがゆっくりおろしてあげるね!」 待ちきれなくなった親れいむは、名案とばかりに体を揺らす。 あわせて揺れる頭上の蔦、葉、赤ちゃんゆっくり。 ガサガサと葉がすれる音はリズムカル。 「ゆっゆゆー♪ あーかちゃんゆっくりおーちてーきーてね♪」 歌い出すぐらいごきげんになる名案。親ゆっくりにとってはそうかもしれない。 が、赤ちゃん達にとっては名案でもなんでもなく、死を早める行為に他ならない。 「ゆ! ゆぅぅぅぅっん!?」 「やめちぇね! おかーしゃんゆっくちやめちぇね!?」 「おきゃーしゃぁぁぁんっ!?」 「れーみゅちゃちがゆっくちできにゃくなっちゃうにょぉぉぉ!!」 「ゆ! わかったよ! ゆっくりやめるよ!」 親れいむは愚鈍ではあったが素直で聞き分けはよかった。 この点は感謝してもよく、幸運であったともいえる。 それで事前の愚行がなかったことになるわけではないが。 間違いなく、今の揺れで赤ちゃんと蔦を繋ぐ接点は脆くなっただろうから。 元より残された時間はわずかだった。赤ちゃん達の時間は更に削がれた。 「ゆっゆっゆっ……!」 「……ゆふー」 急がねばならないのはわかっている。考えねばならないのもそう。 しかし幼い生命にとって、今をなんとか生き延びたこの瞬間から、 脳裏にちらついた死の恐怖を遠ざけ平静になろうとする時間を誰が責められようか? 恐怖は転じて生への執着でもある。落ち着きを取り戻す中、生きようとする意志が、1匹の赤ちゃんに閃きをもたらす。 その1匹は、しばし真剣な顔で前後の揺れに身を任していた。 冷静になった状態で揺れを体感し、自分の考えを実行する。 「ゆっ!」 「……ゆ! ゆっくちしてきちゃよ! ……れいみゅ?」 「ゆっ!」 声をかけられた赤ちゃんれいむは、揺れ幅の頂点で力み、自ら体を動かして勢いをつけ揺れ幅を広くしていく。 親れいむの正面付近に生る長女れいむから、親れいむの右横よりやや後ろに生る、この赤ちゃんれいむの姿はみえない。 何やら力んだ声が聞こえてくる。 長女れいむは、残った方の赤ちゃんまりさ――親の右側に生った子に声をかけた。 「まりしゃ! まりしゃにゃられいみゅがなにしちぇりゅかわかりゅ?」 「ゆ! まりしゃにょうしりょのれいみゅはびゅんびゅんいっちぇりゅ!」 びゅんびゅん? なんのことだろうと不思議に思ったが、その答えは本人から語られた。 親ゆっくりが揺らした事をヒントに、振り子運動の力を借りて、向こうまで飛べないかと。 「ゆゆっ!」 なるほど。ひょっとするといけるかもしれない。 「でもあぶにゃいよ! ぷっちんしておちちゃうかみょしれにゃいよ!?」 「しょーだよ!」 「ぢぇも! こにょみゃみゃだとおちちゃうよ!」 何もしないままでも落ちて、ゆっくりできなくなる。それは皆にもわかっていたことだ。 状況を打破できる術があるのなら、たとえリスクを抱えてもやるべきこと。 特に長女れいむは、そのことを痛いほど感じていた。責任感があった。 ほんの十数秒早く目を開けただけの僅かな差。それだけではあったが、それが長女としての意識を芽生えさせた。 ゆっくりにしてみれば、それだけで十分。 「ゆ! わかっちゃよ! じゃあおねーしゃんがしゃきにとぶよ!」 まずは自分が飛ぶ。危険なことを先に妹にやらせるわけにはいかない。 自分が飛んでいる間に、他の姉妹が別のアイデアを練ってくれるかも知れない。 「だめりゃよおねーしゃん! れいみゅがしゃき!」 「……ゆっ!?」 「れいみゅがしゃき! おねーしゃんはおねーしゃん! みんにゃのしょびゃにいちぇね!」 赤ちゃんれいむの振り子の動きが、速く大きくなっていたこともある。蔦がもう持たないかもしれない。 そんな理由もあったが、今口にしたことが一番の理由。姉妹の精神的柱になっていて欲しい。 大きく動く右側の赤ちゃんが、蔦から離れるのも時間の問題だということもあり、長女れいむは困ったが納得した。 もうこの赤ちゃんれいむは飛ぶしかないのだ。 「そりょそりょいくにょ……!」 前、後。前、後。前、後。前、後。前……。 勢いは十分。よく見ていてね、と姉妹に言う。次に飛ぶ姉妹の参考になるだろうから。 もし失敗しても、とは言わなかった。 この回で飛ぼう。決意が鈍らないうちに。 ……後。勢いを利用して前に出る。いける、いくしかない。ゆっくりするために。 そのためには、前方の頂点に達するより先にやらなければならないことがある。 加速を得た赤ちゃんれいむは、勢いの力を借り頭部に力を入れて――蔦を切り離した。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅっ!!」 宙を舞う。 蔦という枷から解き放たれ、より前へ。 「ゆゆっ!? ゆーっ!」 赤ちゃんまりさはみた。背後にいた姉妹の背中を、勇気ある姉妹の姿をみた。 「がんばっちぇ!」 「ゆ! れいむのあかちゃん? あかちゃんとんでるの!?」 「れーみゅのおねーしゃんおしょりゃをちょんぢぇるにょ!」 「いきぇぇぇぇ!」 長女れいむと、その傍にいる赤ちゃんれいむが激を飛ばす。 お母さんが自分の姿を見てくれている。 「ゆゆーん! ゆぅぅぅぅーん!!」 飛んでいた。皆の思いに支えられ、何物にも邪魔されることなく飛んでいた。 目指す場所が近づいてくる。いや、自分が近づいているのだ。着地するために。自由を得るために。 壁が近くなる、もうすぐだ。……壁? 赤ちゃんれいむは気付いてしまった。高度が落ちているのだ。 「――ゆびゅっ!」 失敗は激突によって告げられ。失敗の結果は落下。 2cm……いや1cm高ければ、運命は変わっていたかもしれない。 だが最初のチャレンジャーの挑戦はもう終わり。もう二度と挑むことも、ゆっくりすることもない。 また1匹、姉妹がゆっくりできなくなってしまった。信じたくはない。が、赤ちゃんれいむがぶつかった場所には染み。 皮肉な話だが、それが赤ちゃんれいむの生きていた証となっている。“生きていた”、だ。 「ゆ~? れいむのあかちゃんどっかいっちゃたよ?」 赤ちゃんがどこにいったのか、不思議そうな母れいむ。 もうここにいない姉妹を思って、残った赤ちゃんゆっくりは泣きたかった。 「ゆ! でもいいよ! れいむはゆっくりまつよ! つぎはだれ!? れいむにおかおをみせてねあかちゃん!!!」 子供とゆっくりしたくてたまらない、そんな母の和やかな声が、赤ちゃん達の悲しさと申し訳なささを増加させる。 残るは3匹。その内の1匹、全姉妹の中で最後に目覚めた末っ子れいむの、感情は決壊寸前。 「まりしゃがいくよ!」 「……ゆ?」 外に流れ出してしまいそうな、末の子の感情を押しとどめたのは、まりさであった。 まりさがやるんだ。体を前後に振り、飛ぶための加速を得ながら、まりさは思う。 もう1匹のまりさは、自分を励まし皆を元気付けた。 飛んだれいむは、先に行くことと意思をみせた。 勇気あるものの行為は、皆の勇気をも奮い立たせる。誰かが笑えば皆も笑える。 まりさはそれがまりさの生き方なのだと、ゆっくりまりさのあるべき姿なのだと、そう心で理解した。 「……ゅ……まりしゃおねーしゃん……」 「まりしゃ!」 「ゆん! ゆん! ゆ……っん! あんしんちちぇね! まりしゃのかりぇーなちょーやくにおどりょいちぇね!」 誰も泣かせない。だから自分も泣かない。不敵に笑う。皆が笑える先を作るために。 泣き虫まりさはもういない。先に行ったまりさを見たとき、皆が誇りを抱き、先に進もうと思える、そんな背を持つゆっくりになるんだ! スポンという音が聞こえた気がした。すぽん、かもしれない。 結論だけいえば、決意をしてからのまりさは最期まで泣かなかった。二度と泣くことはなかった。 「…………」 「…………」 あまりにも唐突。残された赤ちゃん達は、流れるように起こった事象に、泣き出すことも叫ぶこともなく、ただ呆然とする。 理解が追いついてこない。いや、少し時間を置き何があったのかの理解はできた。理解したくないだけだ。 だが現実はそれを許さない。目の前では、蔦にぶら下がった黒いとんがり帽子が揺れている。 振り子運動を繰り返すのは帽子のみ。視界から帽子が消え、また戻ってくる度に、帽子の下にまりさがいるのではと――そんなことはなかった。 残る姉妹は2匹。 長女れいむと末っ子れいむ。6匹いた姉妹の中で、一番近い距離にいた姉妹だ。 「れいみゅ……」 長女れいむは悩む。 自分は飛ぶ気でいる。姉妹の行為を無駄にしないために、残された者の務めとしてゆっくりする未来を勝ち取るために。 妹を残して飛ぶのは気が引ける。もし自分が失敗すれば、末の妹だけ残していくことになる。 母も残っているが、自分以外の姉妹がいなくなってしまったという悲しさに、彼女は耐えられるのだろうか。 現に今も、小さく揺れる黒い帽子を眺めたまま動かない。や、無言で小刻みにぷるぷると震えている。 ゆっくり達は知るよしもなかったが、長女れいむが最初に目覚めた事から、年長者の責任に目覚めたのと同じ様に―― 末っ子は最後に目覚めたことと、長女れいむがそばにいたことで、他の姉妹より精神が幼く、他者にやや依存する傾向があった。 そんな理由を長女は知らないが、妹が残されることに耐えられるとは思わなかった。 ならば自分が横で見守り、励まし、助言を送りながら、妹を先に飛ばせるべきか? 否、先に飛んでねといえば、彼女は泣くだろう。落ちていった姉妹の恐怖がこびりついている。 ならば同時に飛ぶべきか? 否、自分にあったタイミングで飛ぶべきだ。下手に相手にあわせて距離が足りなければ意味がない。失敗は許されないのだ。 ならば答えはひとつしかない。 「れいみゅ……ゆっくちきいちぇね……おねーしゃんがしゃきにとぶよ」 「――ゆゆっ!?」 末の妹の意識が、長女の言葉で現実に引き戻される。同時、妹の浮かぶ表情は驚愕。そして悲嘆。 「れーみゅをおいちぇかないぢぇぇぇぇ! いっしょにゆっくちしよーよーっ!?」 「……れいみゅ」 できることならそうしたかった。 あるいは別の方法を一緒に考えてもよかった。 ……今なら、2匹だけになった今ならとれる方法もある。 皆がいたときは言い出すことはできなかった方法。偶然にも残った2匹は、母の正面側に実った姉妹。 狙いをすまして落ち、母に舌で受け止めてもらい口の中に避難する。向こう側に飛ぶよりも安全な方法だ。 「だいじょうぶだよあかちゃん! おかあさんがいっしょだよ!」 「ほりゃ、おかーしゃんがいるよ? だかりゃあんしんちちぇね?」 安心できる声。お母さんの声に、長女れいむの不安も薄らいでいく気がする。 お母さんはきっと受け止めてくれるよ、れいむ。疑いはない。 けれど長女れいむは飛ぶことを選ぶ。先に進むべきだと、それが残されたものが受け継いでいくことだと思うから。 「れいむ……とぶのがこわかっちゃりゃ……おかーさんにうけとめちぇもらうんぢゃよ?」 「ゆっぐ……ゆっぐ……ゆっぐ……」 妹は聡い子だ。返事はなかったが理解してくれているだろう。 前に飛ぶために、加速を得るために、長女れいむは体を動かす。 お母さん――れいむ達を産んでくれて、うれしかったよ。 れいむ――長女である自分が浮かれていないで周囲注意をくばっていれば、あんなことにならなかった。ごめんね。 まりさ――本当は自分がしなければいけなかったのに、皆を引っ張っていってくれた。ありがとう。 れいむ――皆が見た背中はとても頼もしかったよ。勇気がでたよ。がんばるね。 まりさ――泣かなくなったね。自分だけじゃなく、妹の涙を止れる子になったね。つよいね。 れいむ――お姉ちゃんが飛んだら、れいむは泣きやんでくれるかな? 感情を込め、力を得る。喜びも悲しみも、立ち止まるためではなく、巡り巡って、前にただ前に進むための糧となる。 速く速く、強く強く、前へ前へ。 こんな状況でなければ楽しかったのだろう。だが笑う。快と長女れいむは笑う。 生きるために、妹に何かを残すために。 皆! 一度でいいから力を貸してね! 不出来なお姉ちゃんが、立派なお姉ちゃんとしてやり遂げるために! れいむは飛んだ。 高くより高く。 前へより前へ。 目指す場所へ、ぐんぐん近づいていく。高台より更に高く、長女れいむは宙を飛んでいる。 身を任すではなく、意志によりれいむは風になった。進むべき風に。留まることのない風に。 次は着地だ。飛ぶ時間は思うより短い、早々に心の準備を決め。衝撃に備える。 高さは十分だった。が、着地の構えによる動きのせいか、若干軌道が変わった。着地地点が僅かだが、台の端にずれる。 このままでは、着地の際にバランスが崩れ、落ちてしまう―― 「――ゆんっ! ぐぅっ!」 前へ。 体重と勢いを前半身にかけ、進むことの意志を押し通す。 鈍痛が幼いれいむの体を支配しようとする。否。ここで痛みに飲まれることも流されることも、否。 ここまで来た。ならば前へ。前へと意志を通す。落ちるわけにはいかない。 はねる。 勢いそのままに、地面に叩きつけられた衝撃が全身に駆け巡る。 前へ進むことを選んだ結果、直前で受身を放棄した結果がこれだ。痛みはあれど、後悔はない。 始めて触れる地面さんは固かった。それでも、触れれることが喜ばしかった。 ころがる。 れいむの体は台の外ではなく、内へ。 姉妹達の想いを胸に長女れいむは到達を成し遂げたのだ。 やったよ皆。やったよお母さん。やったよれいむ。れいむはやったよ。 地面さんは痛かった。でも、お母さんは柔らかいに違いない。妹と一緒にふかふかー、ゆっくりー!!! するんだ。 そうだ! 早くお母さんにれいむの無事な姿をみせてあげよう。れいむもお母さんのお顔をちゃんとみたい。 早く妹にもお姉ちゃんは大丈夫だよって言わなきゃ。妹を早く安心させて、ゆっくりさせてあげなきゃ。 ――泣きやんでくれたかな? れいむは妹の涙を止めてあげられたかな? 痛みが引き始めたれいむが、目を開けて見たものは、母の顔でも妹の笑顔でもなかった。妹の泣き顔でもなかった。 遠い遠い地面だった。 「ゆ~~~? れいむのあかちゃんきえちゃったよ?」 母れいむは、今度こそ自分の赤ちゃんを見失うことはないと思っていた。 今回飛んだ子は、視線をあげれば見える位置。頭上でぷらぷら動き出したときから、しっかりと目を離さなかった。 飛んで自分から離れた場所に乗るのもきちんと見た。のに忽然と消えたのだ。不思議だ。 だけど母れいむは楽しかった。初めてなる母親というのは新しいできごとばかり。 赤ちゃんは飛ぶ。赤ちゃんは消える。自分にはできないことだ。 母れいむも赤ちゃんだった頃があったはずだが、そんな経験は無い。でも、きっとできたに違いない。 「ゆ? ゆゆゆゆゆっ!?」 急に髪が痛くなった。少し重い気がする。 今までなかったことだ。これも母親になったからに違いない。赤ちゃん達ができたときも頭の上が重くなった。似ている。 「ゆーん……れいむどんどんおかあさんになっていくよー」 だらしのない笑みを浮かべる母れいむ。しあわせー。 これからはもっとしあわせーだ。母れいむは1匹だけではない、家族がいる。どんどん新しい発見と喜びがあるだろう。 赤ちゃんに色んなことを教えてあげよう。ごはんは美味しいよ。みんなで食べたらもっと美味しいかな。 「……ゆ? だれかよんだ?」 考え事の途中、赤ちゃんに呼ばれた気がして、母れいむは頭上の赤ちゃん達に訊ねた。返事はない。 気になったが、何度もしつこく訊ねるような事はしない。にんげんさんに教わった。れいむはいい子だからそれを守れる。 ああ、そうだ。そのことも赤ちゃん達に教えてあげないと。にんげんさん達にも可愛い赤ちゃんをみせてあげないと。 楽しい未来に想像をめぐらせる。母れいむが好きな遊びだ。にんげんさんは忙しいから、母れいむはこの遊びに興じることが多かった。 でも、もう1匹じゃない。早く赤ちゃん達と皆でゆっくりしたいな。母れいむは楽しみで仕方がなかった。 いつの間にか、髪の重みは消えていた。 ■点数発表 +0点:れいむ4、まりさ1、まりさ2 +1点:れいむ1 +2点:無 +3点:れいむ2 +10点:無 -2点:れいむ3 昼までに各自が選んだ3匹の得点合計合計をすましておきます 2位までが集めた参加費を使って食堂でタダ飯喰ってください シャレで作ったマイナスゾーンに落ちたれいむが勝敗を分けた わりと飛ぶもんですね飛びすぎたせいで暫定1位からビリ辛い このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/196.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 7 浅瀬/コメントログ」 人間絶滅してもゆっくりは生き残るな こりゃ -- 2010-08-25 18 50 42 最後は完全に欠陥生物だったけどね… -- 2011-01-15 23 05 06 これは絵を見たいものだなぁ・・・ -- 2011-01-26 20 19 27 温暖化の進行スピードぱねぇ -- 2011-10-04 14 17 06 ↓↓↓↓無理だな食物連鎖の最下層だけで残っても 共食いENDんで餓死か -- 2011-10-07 21 59 19 地球温暖化ってすごいって思った -- 2012-11-24 04 04 47 5センチあたりのゆっくりを想像すると、すげーキモイな汗 -- 2012-12-10 13 03 02 千歳飴かよ -- 2013-09-30 22 56 47
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1456.html
素晴らしい贈り物 11KB 観察 自然界 虐待じゃなくてごめんね! 『素晴らしい贈り物』 作者:タイポあき 作成日:2010年01月05日(火) 虐待じゃなくてごめんね! ※成分表 ・通常種 2.997×10^8 メートゆ/びょうっ ・餡子脳 1.602×10^{-19} ゆーロン ・野生 6.626×10^{-36} ゆール・びょうっ ・観察 0.529 オングゆトローム ・誤字脱字 1/137 ゆんやぁ(無次元量) - 1 - 見渡す限り、一面の銀世界。 全裸の俺。 ――寒い。 こういうと何か勘違いされそうだが、俺は全裸で野山・街中を駆け回る変態紳士ではない。 もちろん男である以上、彼らに憧れる心は持ち合わせている。 だがあいにく、俺はそこまでのレベルには達していない。 彼らのような偉大なる《到達者》になれるのは、選ばれしほんの一握りのみ。 理性を崖下に向かってブレインバスターできるほど、ピュアな心を持つ《伝説の勇者》のみだ。 俺のような普通のお兄さんに許される領域ではない。 では、何故? なるほど、当然の疑問だ。 しかし同時にトリビアルな疑問でもある。 何故なら、君もここにくれば俺と同じ行動をとるだろうから。 なにせここからドス5匹分先からは、湯煙が立ち上がっているのだから。 そう、ここは温泉だ。 目の前にある看板にもそう書いてある。 「ゆっくり極楽! ゆんやぁっ地獄温泉」と。 まあ意味を考えると、軽くカリスマブレイクしている内容だが。 - 2 - 極楽、極楽。 やはり温泉はいいものだ。 辺りが寒いだけに、そのありがたみが身体に染み渡る。 加えて湯の中からは、絶景が眺められる。 素晴らしい。 この温泉の素晴らしいことは、それだけではない。 目を近くに戻せば、湯船に浮かぶもふもふ。 温泉に入りに来たお猿さんである。 人に慣れているのか、一緒の湯船に入っても動じない。 気性もいたっておとなしい。 他では見られない光景だ。 今は俺しかいないが、これを目当てにくるお客さんも少なくない。 隠れた名湯という奴だ。 これで湯船にお酒でも浮かべて一杯やれれば文句はないのだが、流石にお酒は置いていなかった。 残念、極まりない。 とは言え、それでお湯そのものの価値が下がる訳でもない。 今はお湯と、絶景と、もふもふを楽しむとしよう。 それに、まだ一番の目玉は残っている。 - 3 - 「ゆううぅぅぅっ! さぶいいいいいいぃぃぃっ!」 「ゆっ! 何だがこっちの方が温かいよ!」 「ゆっくりできそう!?」 「できそうだよ!」 「ゆっくりー!」 「ゆっくちー!」 途端に辺りが騒がしくなる。 この温泉の一番の目玉がやってきたようだ。 ゆっくりである。 しかも都会ズレしておらず、ゲス化していないゆっくり。 いまどき珍しい、希少なゆっくり達だ。 もっともその分、餡子脳全開な個体ばかりでもある。 なにしろ寒さに弱い癖に、雪が積もる真冬の真っ只中にお散歩をするのである。 加えて、雪のせいで目印が分からなくり、巣を見失う。 結果としてこの温泉に流れ着くのである。 温泉に集まるのは、ゆっくりできる所を感知できる本能に由来しているらしい。 しかしその本能に、巣は引っかからないらしい。 そういうあたり、ゆっくりらしいと言えばらしい話である。 「お兄さん、そこはゆっくりできるの?」 そんなことを考えているうちに、ゆっくりが話しかけてきた。 金髪に黒い三角帽子。まりさ種だ。 その隣には黒髪に紅白カラーのリボン。れいむ種もいる。 そして子ゆっくりたち。 れいむとまりさの番だ。 珍しくもない組み合わせだが、こういう純粋な問いかけは聞かなくなって久しい。 だから正直に答えてあげることにした。 「ああ、温かくてとってもゆっくりできるよ」 これを聞いたゆっくりたちは大喜び。 「よかったね!」 「ゆっくりしよう!」 「ゆっくち!」 『ゆっくりしていってね!』 キレイに声を合わせた挨拶をすると、一斉にお湯の中に飛び込んできた。 - 4 - 「あったかいね!」 「ゆっくりできるね!」 「ゆっくちー!」 ご機嫌なゆっくりたち。 だが世界はそれを許さない。 「ゆっ、なんだか体がむずむずするよ!」 始めは子れいむの一匹だった。 お湯につかったために体が痒くなってきたらしい。 血も流れていないのに、血行がよくなってきたのだろうか。 「ずーり、ずーり。すっきりー!」 あんよや背中を岩にこすり付けている。 その表情は満足そうだ。 しかしその代償は高くつく。 「ゆんぎゃあああぁぁぁぁっ! どぼじでれいむのあんこさんがでてるのおおおおぉぉぉっ!」 ふやた饅頭皮を岩にこすりつけたら、こうなるのは当然である。 「ゆっ、れいむ!?」 れいむを心配する家族だが、こうなってはどうしようもない。 「もっど……ゆっぐりじだがっだ……」 あっというまに餡子を流しつくして《永遠にゆっくり》してしまった。 「ゆわあああぁぁぁぁぁんっ! れいむうううううぅぅっ! どぼじでぇ!」 泣き叫ぶ家族たち。 どうしても、こうしてもない。 水に溶ける饅頭。 それも温度が高いほど良く溶ける饅頭。 長時間お湯につかればこうなるのは当然だ。 子れいむだったものに駆け寄る家族たち。 急いでぺろぺろすればまだ間に合う、とでも思っているのだろうか。 しかしそんなに焦ったらどうなるか 「ゆぎゃぁぁぁぁっ! まりしゃのあんよしゃんがぁぁぁ!」 案の定、子まりさの一匹が石を踏んでしまった。 石といっても、角はとれている。 人間が踏んでも怪我をするのは難しいような難しい代物だ。 だがふやけた饅頭には致命的だ。 しかも踏んだのは子まりさ。 瑞々しい子ゆの餡子は、次々とお湯に流れ出してゆく。 あれよあれよと言う間に、体の半分以上を失ってしまった。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ」 痙攣しだす子まりさ。 最早、死の一歩手前だ。 慌てて子まりさへと向かう二匹の親ゆ。 子れいむが無理でも、子まりさならまだ間に合うという冷静な判断にみえる。 しかし実際は、複数のことを同時にできないだけである。 それにそんな行動も意味は無い。 湯船に立つ波にもまれ、子まりさの体はあっという間にバラバラになってしまった。 「ゆああぁぁぁぁああああっ、おちびちゃんっ!」 目の前の悲劇に絶叫する親ゆ。 しかしそれだけでは済まない。 子まりさに駆け寄ったときにできた波は、子れいむの一匹もバラバラに砕く。 「おきゃ……あしゃ……ん……たしゅけ……」 だが助けを呼ぶ声は、親ゆたちの悲鳴にかき消される。 結局この子れいむの死は、誰にも気づかれることは無かった。 - 5 - 「ゆううっ! もうおうち帰るっ!」 そういって湯船から飛び出すゆっくり達。 残っている個体は比較的成長しているためか、まだまだ動けるらしい。 こんなゆっくりできないところには、これ以上一秒たりとも居たくない。 そう言わんばかりに、ゆっくりしてない速さで雪上を跳ねていった。 「おきゃーしゃん、おとーしゃん! まっちぇー!」 おや、と思って湯船に目を戻す。 するとそこには一匹の子れいむ。 一家全員がお湯を飛び出したかと思ったが、残っていたらしい。 波で砕かれるほどふやけてはいないが、あんよの機能は失ってしまったらしい。 見捨てられたというより、気づかれないまま置いていかれたのだろう。 家族全員が脱出に必死だったのだから。 加えて、3以上の数を数えられないゆっくりの性質も、これを後押しした。 もっとも子れいむには、何の慰めにもならないが。 「やめちぇ、やめちぇ! いちゃいー! ゆぐっ!」 ためしに指でつついてみると、何の抵抗も無く子れいむ頬に吸い込まれていった。 「ゆっ!? ゆあああぁ、だめええぇぇぇっ! れいむのあんこさん、出て行かないで!」 穴が空けば、当然お湯が流れ込む。 その反動で中身が漏れ出す。 この子れいむも、もう長くないだろう。 別に殺すつもりは無かったのだが、こうなってしまえばどうしようも無い。 子れいむには無視を決め込み、放置することにした。 「お兄さん、おでがいじばず助けでぐだざい!」 そう言う子れいむだが、あの様子では持ち上げたとたん、全身が崩れてしまうだろう。 もう子れいむの運命は決まっている。 この状況になってなお、ゲス発言をしないのには感心したが、これは人間でも無理である。 子れいむは俺の目の前で悲壮な表情を浮かべ、ゆっくりと苦しみぬいて溶けていった。 子れいむが溶けきったころ、家族が戻ってきた。 「ゆうううううぅぅぅっ! 寒いいいいいいぃぃっ!」 しかし、子れいむを助けに来たわけではない。 寒さに耐えかねて戻ってきたようだ。 濡れたまま雪の中を走り回れば、そうなるのは当然のことである。 お湯は怖いが、それ以上に寒かったようだ。 目を凝らせば、遠くに黒や赤の点がころがっている。 大方、温泉まで戻れずに力尽きた子ゆっくりたちだろう。 もしかしたらまだ生きているのかもしれないが、すぐに溶けた家族の後を追うだろう。 饅頭が凍死とは奇妙極まりないが、ゆっくりは凍死するからだ。 ゆっくり内部で成長した氷が、中枢餡を傷つけるである。 お湯の中にいれば体が溶ける。 外に出れば寒さで凍死。 この一家は見事に、袋小路にはまってしまったようだ。 - 6 - 温泉と雪上の往復運動を繰り返す一家。 その段々と失われてゆく子ゆっくり達。 だが、途中から溶ける子ゆっくりが少なくなっていく。 お湯の中に溶けた餡子の砂糖のためである。 オレンジジュースに漬け込んでも溶けることが少ないのと、同じ様な理由だ。 「ゆっ、よく分からないけどお湯の中にいても大丈夫だよ!」 親まりさもそれに気がついた様だ。 お湯の中でゆっくりし始める。 餡子の甘い香りの漂うお湯の中で、くつろぐゆっくり。 なんとも滑稽なものである。 もちろん、このまま一家を見逃すほど、ゆっくりの死神は甘くない。 事件が起こったのは、その直後だった。 「ゆぎゃあああああああっっっ! いだいぃぃぃぃっっ!」 いきなり大きな叫び声を上げるまりさ。 見ればもふもふのお猿さんの腕が、まりさの脳天に突き刺さっている。 お猿さんは、中身をかき混ぜるように腕を動かし、その後にゆっくりと引き抜く。 その手には沢山の餡子。 それをうれしそうに舐めとっていた。 思わず笑みを浮かべてしまうような、可愛らしい光景だ。 もちろんそれで終わりな訳がない。 一匹のもふもふが餡子を舐め終わると、次のもふもふが餡子をかき出す。 すぐに殺さずに痛めつけている辺り、経験的にゆっくりの性質を知っているのだろう。 すぐに一家を殺さずに温泉と雪上を往復させてたのも、いい具合になるのを待っていたのだろう。 この段階になれば、中の餡子は極上の甘さであり、同時に逃げ出す体力も無いからだ。 「ゆああああっ! おとーしゃん! 助けて!」 「ゆぎぎぎ、まりちゃは美味しくないよ!」 「ゆぴぴぴぴぃぃぃい! れいみゅを食べないでええええぇぇぇ!」 もちろん子ゆっくりも無事ではすまない。 次々と捕らえられ、丸かじりにされる。 親まりさに助けを求めるが、当の本ゆんが頭の中をかき回されているのだ。 助けられるはずが無い。 「ゆぎっ! ゆ゛ぐう! ゆげえ゛っ!」 親まりさの言葉がだんだん不明瞭になってきた。 もう《永遠にゆっくりする》のも時間の問題だろう。 - 7 - 「ゆあああぁぁぁっ! お兄さん助けてぇぇぇぇえっ!」 親まりさ痙攣し、苦しみぬいて《ゆっくり》したころ、俺の方に親れいむが《走り》こんできた。 目には涙を浮かべ、頬はパンパンに膨らんでいる。 残った子ゆを退避させているのだろう。 自分が敵わないのが分かっているのか、俺に助けを求めてきたのだ。 一目散に逃げ出さずに、子ゆを助けた親れいむ。 確かに、良い意味での母性をもっている親れいむだ。 最近ではなかなか見れなくなった、素晴らしい光景だ。 しかし、いくら善良とは言え所詮はゆっくり。 もふもふと比べれば、もふもふが優先されるのは当然のこと。 今俺が親れいむを抱えてお湯を出れば、親れいむは助かるだろう。 だが、そんなことをする理由は無い。 ついでに言えば、まだ温泉を楽しみたい。 とは言え、あえて親れいむを蹴りだしたりすることもしない。 面倒だからだ。 真剣な目でにらみ合う、もふもふと親れいむ、という構図が面白いというのもある。 結果として、親れいむは俺のそばに張り付いていることができた。 それが抑止力になったらしい。 もふもふと親れいむは、俺が温泉をでるまでの間、ずっと睨み合っていた。 - 8 - 「なるほどねえ。そういう意味だったんだ」 服を着た俺は、出来立ての温泉饅頭を食べながらそう呟いた。 目の前には「ゆっくり極楽! ゆんやぁっ地獄温泉」という例の看板。 カリスマブレイクした文言かと思っていた。 だがなんのことはない、単に事実を書いただけだったのだ。 人間やお猿さんにとっての極楽。 ゆっくりにとっての地獄。 それらが同時に起こるというだけのこと。 極楽と地獄。 相反する二人が手を取り合って協力できるのも、この温泉ならではなのだろう。 - 9 - そうそう、一つ忘れていた。 これを言わないと、みんなに怒られてしまう。 素敵な温泉饅頭を作ってくれた親れいむには、感謝の言葉を捧げる。 白黒・紅白の素晴らしい温泉饅頭を作ってくれたのだから。 残念なことに、俺が湯から上がることにはすっかり消耗してしまい痙攣を始めていた。 溶けることは無くても、熱に強くなったわけではないのだろう。 だがそんなになってまで、親れいむは仕事を全うした。 最後にその身をもって、お猿さんに甘味をプレゼントしたのだ。 ここまで他人に尽くせる存在は、そうはいないよ。 温泉の目玉でもある、名物の温泉饅頭。 とっても美味しかったよ。 素晴らしい贈り物をありがとう、れいむ。 - The End - 作品リスト [1] ふたば系ゆっくりいじめ 421 みんなの幸せのために [2] ふたば系ゆっくりいじめ 422 黒色の魔法 [3] ふたば系ゆっくりいじめ 489 れいむの平和な一日(前編) [4] ふたば系ゆっくりいじめ 492 れいむの平和な一日(後編) [5] ふたば系ゆっくりいじめ 605 家族の絆 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 設定に対して疑問符だらけの作品だったな。 -- 2018-01-11 11 46 31 サルのいる山にゆっくりが入ったらあっという間に絶滅させられるだろうなw -- 2011-06-19 10 18 26 というか温泉の深さどうなってんだ? -- 2010-11-24 22 37 33 実は今家の近所に猿が出没してるんだ…ニュースになってると思うが -- 2010-09-12 23 37 07 サルは甘いもの好きそうだからな…れみりゃ・ふらん以上の脅威になりそうだ。 -- 2010-07-12 01 32 36 お湯に溶けた餡子がべたべたしそうだが・・・ -- 2010-06-29 15 09 53 もふもふは結構危険なんだが・・・ -- 2010-03-24 18 25 25
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2131.html
餡娘ちゃんに花束を 17KB 愛で パロディ ドスまりさ 希少種 虐待人間 愛護人間 創作亜種 ハートフル注意 二行作 【はじめに】 このSSはフィクションです。 実在のものとは関係ないし、或いは他人の空似です。 餡娘ちゃん生誕記念と聞いて、カッとして書いた。 ハートフルものだし、絵師作家様方の創作物もお借りしているし、今は謝罪している。 【本編】 ふたばの森の近くに、変わった集落がある。 そこでは、ゆっくりと人間が共存していた。 小さいながらもメインストリートとなっている通りを、男と饅頭が走り抜ける。 「ヒャッハー! ゆっくりは虐待だー!」 「やめてね! かわいいかわいい、れいむをゆるしてね!」 「ヒャッハー! 絶対に許さねえ!」 大通りに面した、藁葺きの家。 その縁側で、女がありすを膝の上に乗せて和んでいる。 「平和ねー」 「とかいはねー」 「あら、鬼威惨が駆けてくわ」 「ヒャッハー! 走れ走れー!」 「お、お、おねーさん、ゆっくりしないでたすけてね!」 「れいむ、頑張ってねー」 「ゆがーん!」 れいむを追い掛け回す鬼威惨の側を、飼いまりさが通り過ぎる。 男は、白黒饅頭には目もくれない。 飼いまりさの向こうから、三輪バイクに乗った老人がやってきた。 バイクはリヤカーのようなものを引いていて、そこからは良い匂いが漂ってくる。 「おじさん、れみりゃまん、くれなのぜ!」 「はいはい。お使いかい? えらいね」 「ゆん! おだいは、おぼうしのなかなのぜ!」 老人は、まりさの帽子の中からタッパーを取り出す。 そして容器の中の小銭と、ほっかほかの蒸しれみりゃを入れ替えた。 「はい、ヤケドには気を付けるんだよ」 「ゆっくりありがとうのぜ! あちちちち・・・」 飼いまりさが、ぴょんぴょん跳ねながら来た道を戻る。 蒸し饅頭売りの側に、今度は縁側にいた女がやってくる。 「おじさん、まりさまんある?」 「はいはい。おいしく蒸し上がってるよ」 別に、まりさやありすが特別扱いを受けているわけではないのだ。 この村ではゆ虐派も愛で派も、そしてゆっくり達も、それなりに穏かに暮らしていける。 それは、集落を治めている者のおかげであった。 この村の長の名前は、餡娘ちゃん。 幼い見た目とは裏腹に、その手腕によって集落を取り仕切る敏腕少女である。 『餡娘ちゃんに花束を』 (作・二行) 餡娘ちゃんの朝は早い。 早いというより、昼も夜もなく働いているという印象だ。 村人村ゆんの要望を元に、彼女は様々な施設を作る。 人間饅頭問わず、住民は皆食いしん坊なので、作る大半は食料庫だ。 倉には納める種類によって、『とかいは』『どろわあず』『あんこばなし』等と名付けられている。 最近では『あんこばなし』のSSが溢れ返って、ある住民がさらなる保管庫を作っていた。 餡娘ちゃんは他にも会議場や遊び場などを建設する。 それらは豊臣秀吉の一夜城の如く、いつのまにか出来ていたりする。 その度に人々は、驚きと共に感謝を述べるのである。 だが、感謝を忘れたものというのは、時や場所を選ばす湧いて出る。 「けっけっけっ。こんなもの俺は気にいらねえなあ! 捨てちまうとするか!」 「むきゃきゃきゃ、さいきんは、まどうしょとよべるものがないわね!」 ゲス人間と賢者(笑)のコンビが、食料庫を荒らしている。 何かと文句を付けては、倉の中のものを潰したり、しーしーをかけて回る暴虐ぶりだ。 「ゆっ! げすがあばれてるよ!」 「いけない、餡娘ちゃんに知らせないと」 1匹と1人の目撃者が走り去る。 間もなく、小さなまりさを連れた餡娘ちゃんが、荒し被害を受けている倉に到着した。 「むきゃ? あんこちゃんよ」 「おうおうおう、餡娘ちゃんよー。俺達はつまんねえものを制裁しているだけだからよ。 村長さんは村長さんの仕事に戻って、俺達をもっとゆっくりさせてくれよ」 餡娘ちゃんは、無言で抱えていたチビまりさを放り出した。 小まりさはぽよんぽよんと、ゲスコンビの元へ近付いていく。 「おいおいおい、虐待しろってか、餡娘ちゃん」 「むきゃーっ! ようしゃなくやっちゃうのよ、おにーさん!」 「そりゃそりゃそりゃ!」 手を伸ばし、前のめりになってゲス人間が襲い掛かる。 チビまりさはそれをかわすこともなく、逆に男の指先に噛み付く。 そして。 「え?」 得体の知れない口の力で、ゲスを倉の外へ投げ飛ばした。 「むきゅきゅっ! まって、おにーさん!」 慌てて外のお仲間の元へ飛び出していくゲスぱちゅりー。 ゲス人間は顔面を地にこすり付けて悶絶していた。 チビまりさもその後を追い、ゲスに対峙する。 「やいやいやい、何てことするんだ糞袋!」 「むきゅきゅきゅ。こーかいするがいいわ、これからおにーさんのほんきを・・・」 2つのゲスの視線が、上がった。 小さかったはずのまりさは、みるみるうちに大きくなり、見上げるほどの大きさになった。 それは正しく、ドスまりさ。餡娘ちゃんが飼っているまりさの、真の姿である。 「やややあ、ドスまりさ。今日はいい天気ですね」 「むきゅきゅん。はばないすでー・・・」 ドスまりさは高く舞い上がり、哀れなゲスを大きな影で包み込んだ。 断末魔より力強く、巨大あんよの音が響いた。 ゲスぱちゅりーは単なるシミと化し、ゲス人間も完全に失神していた。 伸びている男の腕を餡娘ちゃんがつかむ。 元の大きさとなった飼いまりさと共に、彼女は村の外れに消えた。 それから先、ゲス男がたどった結末を知るものはいない。 まさか違法性のある仕置きをやるわけではないだろう。 分かっているのは、この村で彼の姿を見ることは2度となかった、ということだけである。 村から一歩出ると、そこはふたばの森だ。 それは、豊かな恵みと様々な珍獣が待ち受けている楽園。 誰しもがエンジョイ&エキサイティングを求めて、ここを訪れる。 森に来ると、鬼威惨・悪姐惨は虐用ゆっくりを使って、アウトドアな虐待に挑戦する。 愛で人間は野生ゆっくりと戯れたり、食料集めに精を出す。 鬼威惨に餌集めを頼むと、ゆっくり用の籠に唐辛子を入れたりするので、任せられない。 虐待派の村での仕事は、専ら建設業になっていた。 さて、普段なら森の中に悲鳴や喜びの鳴き声がこだまする所である。 しかし今日ばかりは違っていた。 餡娘ちゃんが、虐待派と愛護派の代表と一緒に、2人の男と向かい合っていたのである。 男というのは、端的に言えば細いのと太いの。 細かく描写すれば、細い方は貧弱な男の見本ともいうべきゴボウ野郎である。 太い方は、飛べそうもないただの豚といった感じだ。 「村の皆さんに集まって頂いたのは、他でもありません」 細いのが丁寧な口調で切り出した。 しかしその目には、明らかな軽蔑の色が見て取れる。 「皆さんには、ふたばの森に入って欲しくはないんです」 「何言ってるんですか? ここは、誰だって訪れていいはずでしょう?」 「ヒャッハー! ふたばはフリーダムだぜー!」 愛で派と虐派が抗弁する様子を、餡娘ちゃんは黙って聞いていた。 やり取りに割り込んだのは、脂ぎったもう1人の男。 「ゆっくりとか、わけわかんねーよ。キモイから消えてくれよ」 「どういう意味ですか?」 「ゆっくりと戯れる村の皆さんには、としあきの資格が無い、ということです」 としあきとは、ふたばの森を訪れる者の総称である。 由来は各自ググろう。 「ヒャッハー! ふたばの掟はただひとつのハズだぜー!」 「そうです。エンジョイ&エキサイティング。私達はそれを守り、楽しんでいます!」 「虐厨が口聞くんじゃねえよ」 「私は愛で派です!」 「やれやれ。私共も困ってるんですよ。あなた達のせいで、森がすっかり狭くなってしまって」 「ヒャッハー! 俺達は縄張りは守ってるぜー!」 「いるだけで邪魔っつってるんだよ、このハゲ!」 「ギャッハー! ハゲとモヒカンは別腹だぜ!」 「ともかく! ふたばの森のことは、森の主達が決めることです。 我々を呼びつけて恫喝紛いのことをやっても、全く無意味ですよ」 「あなた方の言い分はよく分かりました。では、森の主にお伺いを立てることにしましょう」 「まあ、きっと無駄足ですけどね。我々がここにいる。それが、答えなんですから」 「ふん・・・」 「ヒャッハー! おととい来やがれー!」 凸凹コンビは、唾を吐きながら森の奥へと帰っていった。 村の3人も、ゆっくり達と一緒に家路に着く。 餡娘ちゃんは、最後まで口を開くこともなく、何かを考え込んでいるようだった。 それからしばらく経った、ある朝。 ふたばの森に、火の手が上がった。 炎は森の自然を焼き尽くし、珍しい生き物達も犠牲になった。 ふたばに定住していたゆっくり達も、その大半は焼き饅頭となって果てた。 「ゆんやぁぁぁ! れいむのかわいいおちびちゃんたちがぁぁぁ!」 「おねえちゃぁぁぁん!」 「ああ、ふたばの森が消えていく・・・」 「あんなにゆっくりしたゆっくり達だったのに・・・」 ゆっくりや愛で派は、犠牲になった自然やゆっくりに涙を流した。 「ヒャッハー! 俺らを差し置いて虐殺とは頂けないぜー!」 「ギャッハー! 明日のサバイバルアマギリマッチがー!」 虐待派も、炎の容赦ない虐殺ぶりとプレイの幅が狭まることに落涙した。 追い討ちをかけるように、ふたば周辺にある噂が飛び交った。 餡娘ちゃんの村の人間が、森に火を付けたというのだ。 例の愛で派と虐待派の代表が、噂を流している者を探す。 案の定、あの時やり合った細いのと太いのが、焼け跡に立って熱弁を振るっていた。 「これは全て、あの頭のおかしい村の連中の仕業なんです! ふたば焼き討ちなんて恐ろしいことができるのは、あの社会不適合者達だけです!」 「あいつらは、自分の仕業だってバレたくなくて、あちこち火を付けて回ったんだ! ならばこちらも、餡娘とかいうクソガキの村を、襲ってやろうじゃないか!」 言ってることは、無茶苦茶だった。 それは聴衆にも分かるらしく、誰もがしらっとした視線を向けている。 彼らはふたばという遊び場がなくなったので、ヒマ潰しに来ているだけらしい。 それを知ってか知らずか、凸凹はさらにヒートアップしていく。 「皆さん分かりますか、これは自由に対する挑戦ですよ! 今ここで奴らを根絶やしにしなければ、またふたばは荒らされるんですよ!」 「あいつらは、どいつもこいつも犯罪者だ! 犯罪者を殺して何が悪い!」 「いい加減にしなさい。流石のとしあき達も引いてるじゃないですか」 「ヒャッハー! 人間虐待はゆっくりできないぜー」 愛で派はゴボウの前に、虐待派は飛べない豚の前に立ち、視線をぶつける。 「出ました! 皆さん、これがクズ村のクズ人間ですよ!」 「としあきの敵だ! としあきの敵だ!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 「何がゆっくりですか! あんな気持ちの悪い生首の、どこが良いんですか!」 「存在丸ごと愛らしいですが、なにか」 「そして思わずヒャッハーしますが、なにか」 「むむむ」 「なにが、むむむなのぜ!」 野次馬をかき分け、野生のまりさとれいむの番が、4人の中に飛び込んできた。 「こっちのおねーさんは、まりさたちを、ゆっくりさせてくれるのぜ! そんなにんげんさんが、まりさごとふたばをやくなんて、ありえないのぜ!」 「こっちのもひかんさんは、れいむたちをいじめる、こわいにんげんさんだよ! でもこっそり、もりにすんでるどーつきちぇんと、ゆっくりしてるんだよ!」 「わ、馬鹿、言うな!」 「へー、胴付きかー」 「ヒ、ヒャッハー! 視線が痛いぜー!」 「ふたばをあらしても、あんこちゃんのむらはゆっくりできないよ! そこのおいしそうなにんげんさんは、ゆっくりりかいしてね!」 「誰が根野菜と豚肉ですか! ・・・そんなサクラを使っても、森の主の目は誤魔化せませんよ」 「お前達はおしまいだー! バーカ、バーカ!」 群集が騒ぎ出し、2つに割れた。 人の谷間から屈強な男がゾロゾロと現れ、4人と2匹に対峙した。 「おお、これはこれは主のお使いの方ではないですか。 ささ、早速、このテロリスト共をしょっ引いて下さい」 筋骨隆々たる腕が、つかむ。 捕獲したのは、細い男と太い男。 「はれ?」 「貴様らこそ、ふたばの主の目を誤魔化せると思うな」 「お、お、俺達は何も」 「黙れ放火犯。貴様らの仕業だってことは、既にお見通しだ」 「え、あれ、その、ええ、どうして?」 「その分けを、これからじっくりと話してやる」 鍛え上げた男達が、ガリガリ君とブヨンブヨンを連行していく。 対照的な光景だった。 「くそ、おい、こら!」 「餡娘の、ゆっくり村の連中と関わったばっかりにぃぃぃ! ゆっくりの、ゆっくりの、ゆっくりぃぃぃぃぃ!」 まるで、饅頭の断末魔だ。 見苦しい叫びを残して、放火魔は連れ去られた。 群集は1人去り、2人去り、そして全ていなくなる。 残されたのは、村の2人と野生の2匹だけだ。 「ありがとう、助かったよ」 「どーいたしましてのぜ!」 「このド饅頭、聞いてもいないことペラペラと!」 「ゆー! たすけてちぇぇぇぇん! ちぇんのはにーがいじめるー!」 いつかどこかで見たような、れいむと鬼威惨の追いかけっこが始まる。 野生のれいむは意外と逃げ足が早く、モヒカンは中々捕まえられない。 「ねえ、まりさ。森が小さくなって大変でしょう? 良かったら、私達の村に来ない?」 「まりさたちは、もりぐらしのほうが、ゆっくりできるのぜ。 おねーさんたちこそ、もりがちいさくなったら、むーしゃむーしゃがすくなくなるのぜ?」 「それは大丈夫よ、だって私達の村には・・・」 遂にれいむを捕らえきれず、鬼威惨がバテて倒れている頃。 村では、餡娘ちゃんの飼いまりさが、村人村ゆんを先導していた。 「ゆっ! 餡娘ちゃんが避難所を作ったよ! ゆっくり付いて来てね!」 「ありがたや、ありがたや」 「ふたばさんがゆっくりするまで、ひなんじょでゆっくりしようね!」 避難所には、類焼を受けて焼け出されたものの仮設住宅と、備蓄食料の配給所が作られていた。 もちろん、生焼けゆっくりの寝床と餌も用意されている。 「しばらく村のご飯は、避難所で配るよ! 皆で仲良く、むーしゃむーしゃしてね!」 「すくなくても、みんなといっしょなら、ゆっくりできるね!」 「ならば俺は、ゆっくりを食うぜ!」 「ゆんやっ!」 「ゆ虐さんは、ふたばの森がゆっくりするまで我慢してね!」 「ひゃっはぁ・・・」 餡娘ちゃんは、流石に疲労を覚えていた。 ふたば大火災に伴う聞き取り調査や、避難所の作成。 災害と前後して行った祭りの準備や運営。 その他諸々の重責が、年齢不詳ながらも小さい両肩に圧し掛かっていたのだ。 なんでこんなことしてるんだろう。 そんな思いに駆られることも無いではない。 しかし、村人やゆっくりの幸せな顔を見ると、ついつい張り切ってしまうのだ。 今日も彼女は、『あんこばなし』のメンテナンスに向かう。 倉庫の間取りを変えて欲しいという、ささやかな願いを叶えるために。 チビまりさが、餡娘ちゃんの横を跳ねながら付いていく。 少女が村の大通りを行くと、違和感を感じた。 「ねえまりさ。何か村人の数が、少ないように見えるんだけど」 「ゆっ? まりさはそうは思わないよ。いつもと同じで、ゆっくりしてるよ」 「そう?」 「餡娘ちゃん、疲れてるんだよ」 「かもね。たまには、ゆっくりしようかしら」 飼いまりさが、ニコッと笑った。 餡娘ちゃんも笑い返したが、笑顔の意味は、よく分からなかった。 そうこうしているうちに、『あんこばなし』の倉に到着する。 少女は、またもやおかしな気配を感じた。 「この中に、誰かいるわね」 「ゆゆゆ? 本当?」 「まりさ、あなた今日は変よ。この気配を感じられないなんて」 餡娘ちゃんが、倉の扉に手をかける。 ゆっくりと開け、奥を覗き込むと、そこには。 「「「「「「「「「「餡娘ちゃん、おめでとー!」」」」」」」」」」 みっちりと入っていた村人村ゆんが一気に飛び出してきた。 少女は人の波の上に乗せられ、どこかへ運ばれていく。 「え? なにこれ?」 「さあ、サプライズは成功だよ! 後は盛大にゆっくりするよ!」 ドス化した飼いまりさのお帽子のつばに、餡娘ちゃんが乗せられた。 彼女が周りを見渡すと、皆、テーブルや食器やあまあまを持って、村の広場へ向かっている。 ドスまりさが広場の中央で少女を降ろすと、そこはもうパーティ会場。 ご馳走が並んだテーブルの前で、餡娘ちゃんは状況がつかめず、呆然としていた。 「それでは、改めてせんげんっするよ!」 「「「「「「「「「「餡娘ちゃん。お誕生日、おめでとー!」」」」」」」」」」 盛大な祝福宣言が、全住民から贈られた。 クラッカーが鳴る。拍手は鳴り止まない。 「ああ、あの、ええと・・・ありがとう」 「ヒャッハー! 照れてるぜー!」 「でも、私の誕生日、一週間前だよ・・・。まあ、私も忙しくて忘れてたけど」 「ごめんね、餡娘ちゃん。火災の一件があったから、準備に手間取っちゃって。 でもおかげで、色々用意できたのよ」 「ヒャッハー! これはゆんドーナツの詰め合わせだぜ!」 「ヒャッハー! こっちはボーダー商事のめすぶた饅頭だぜ!」 「甘いのばっかりね」 「そうでもないよ!」 真っ白いテーブルクロスの上に、灰色の饅頭が飛び乗る。 「あらあなた、見ない顔ね」 「私はなずーりん。書記長とも呼ばれている、近頃評判のゆっくりさ」 「その書記長さんが、私に何のようなの?」 「よくぞ聞いてくれた! 今から我が同志が餡娘ちゃんにプレゼントをする!」 「同志って、ゆっくり達が?」 「そうだとも。これは全てこの書記長の発案により・・・」 なずーりん書記長の身体が、ヒョイと持ち上がった。 鼠饅頭を手に取ったのは、白髪のメガネをかけたご老人。 「いやー、これはしょきちょーなずーという、珍しいゆっくりなんですねー。 でも、手柄の横取りはいけないんですねー」 これまた近頃噂の愛で?おじいさん、ムシゴロウさんだった。 彼は恐ろしい速さでなずーを撫で回す。まるでルービックキューブが上手い人のように。 「ゆ、ゆぶぶぶ」 「あのムシゴロウさん、そのくらいで」 「おっとこれはいけない。早速、アツアツのオレンジ風呂に浸からせてあげましょうね」 「話が進まないわね」 「いや、もう話す必要もないみたいですよ」 村人や指差した先に、1本の線があった。 ラインにも見えるそれは、ゆっくりの行列。 それらは口々に花をくわえ、色とりどりの贈り物を運んでいる。 先頭のれいむが、餡娘ちゃんの足元に来る。 「ごめんなさい、あんこちゃん。 ふたばのもりがちーさくなったから、あちこちでおはなさんをあつめてたよ」 れいむはそう言って、小さな花を少女に渡した。 れいむによく似た、赤い花。 その後も、ゆっくりが駆け付けては、花を餡娘ちゃんに贈り続ける。 「ゆっくりしすぎて、ごめんなさい」 「おはなさん、ぜんぶとっちゃわるいから、とおくまでいってきたよ」 「もっとおおきいの、とりたかったよー」 「むきゅっ。このおはなさんは、どうかしら?」 「とかいはなあんこちゃんには、とかいはなおはなさんよ」 「しろいきょとう!」 全てのゆっくりから花を受け取った頃には、餡娘ちゃんの手に大きな花束が出来上がっていた。 「ありがとう、皆。ありがとう」 この日ばかりは、人間もゆっくりも笑顔を絶やさなかった。 鬼威惨もお姉さんも、れいむもれみりゃも胴付きちぇんも、ゆっくりした表情を浮かべている。 ただ1人、餡娘ちゃんだけが、笑いながら泣いていた。 「餡娘ちゃん、これからも」 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」」」 (完) 【過去作】 ※単発物近作 ふたば系ゆっくりいじめ 929 ブラック・スイーツ・ちぇぇぇぇぇんソー ふたば系ゆっくりいじめ 906 蟷螂の斧 ふたば系ゆっくりいじめ 833 俺持ってんの1円じゃなくて・・・ ※カオスVS鬼威惨 ふたば系ゆっくりいじめ 947 はげの復活(上) ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 ※YHKアーカイブス ふたば系ゆっくりいじめ 840 プラネット・ゆース ~ドスまりさ~ ふたば系ゆっくりいじめ 675 プラネット・ゆース ~きめぇ丸~ ふたば系ゆっくりいじめ 658 緊急特別SS ゆっくり割れる窓ガラスさんの謎 ふたば系ゆっくりいじめ 594 プラネット・ゆース(うーぱっく&すぃー) ※続編準備中 ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を ふたば系ゆっくりいじめ 796 Detroit Yugyaku City 2 ※ぬえ nue059 「スキャット・ゆん・ジョン」 nue022 「ゆナッフTV」 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」 その他の作品に関しては、ふたばSS@WIKIの『二行の作品集』をご覧下さい。 餡娘ちゃんとWIKIあきに、多謝。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓↓これ読んでると、ゆ虐について荒れるのが微笑ましく感じるな -- 2011-11-17 11 45 38 飛べない豚って例えが、読んでいるとジワジワくるなw -- 2011-08-09 01 49 20 虐待も、制裁も、愛でも、全部アリ。 虐待派と愛で派が交わることのない主張をぶつけ合うのも、制裁派がゆ虐にルールを主張して愛で・虐両方から叩かれるのも、 罵詈雑言で罵り合うのも、全部楽しいよね。 結局、みんなはゆっくりが大好きなんだよね。仲良くなんかしなくていい。わかり合わなくてもいい。 言い争うのも、けなし合うのも、褒め合うのも、議論するのも、楽しい。楽しい。楽しい。 -- 2010-07-22 00 40 26
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/738.html
捨てられみりゃ 8KB 虐待ありません。 泣きめぇ丸の後の話です。 次からはちゃんといじめます。 「捨てられみりゃ」byガッツあき 小腹がすいたので近くのコンビニに出かけることにした。 夜中に間食。 体重的にあまりよろしくないがストレスで禿げるよりはいくらかマシだろう。 そう割り切って外に出た。 コンビニまでは小さな公園を通る。 昼間はよくゆっくりどもがたむろしていてウザイことこの上ないが 夜間はあいつらも眠っているのか静かだ。とてもいい。 このへんには捕食種もいないしな。 つーか街中のほうが捕食種生き残れるんじゃねーか? まぁ一応希少種だから見つけられ次第捕獲されるのか…。 いや、そもそも野生のれみりゃとふらんは日光苦手だっけか。 そんなどうでもいい事を考えながら歩いていたら、珍しい光景が目に入った。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「うー!うー!」 「ゆっくりしね!」 「ぎゃーおー!」 胴なしふらんが三体。 胴有りのれみりゃが一体。 しかもあのれみりゃ、ふらんを庇ってるのか? ふらん二体がれみりゃとよく見たら帽子のないふらんを襲っていた。 襲われたふらんは完全に萎縮してしまっているようでれみりゃの背に隠れて震えている。 れみりゃは気丈にも木の枝を振り回して天敵のふらんに応戦していた。 だが涙目だ。もう長くないだろう。 しばらく観察して居たかったが空腹は限界。 しかも気分はカップラーメン。 コンビニでお湯を入れてもらってあいつらに「そおい!」してもいいが それまではきっとれみりゃが持たないだろう。 さて、販売分のふらんが不慮の事故で減ってしまったから補充してもいいだろう。 ふらんをかばうれみりゃっつーのも面白い。 捕食種が欲しかったところだ。捕まえて飼うのもいいだろう。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「う゛ーっ!ふらんはれみぃがまもるんだどぉー!」 「うー…」 「しね!ゆっくりしね!」 あ。一匹が焦れてふらんの方に行きやがった! 「ちょっと待てーい!ゆくと殴打拳!!」 慌ててふらんの方へ駆けてパンチを二発食らわせてやった。 必殺技っぽいのは掛け声だけで実際は只のパンチだ。 ただし食らわせた箇所は羽の付け根辺りだ。 このあたりはゆっくりの神経らしきものやツボらしきものが多数存在するらしく 初心者でも「ゆくとの拳」のゆっくり神拳継承者気分に浸れるのだ! ちなみにいくつかのツボは把握しているのでめーりんに「あべし!」と言わせることも可能だ。 めーりん好きだからやらないけどね! 激辛餡が飛び散って自分に被害が大きいしね。 ふらん二体は地に落ち、れみりゃたちは呆然とこちらを見上げていた。 「あー…大丈夫かよ?」 「う゛ぁー!!ごわがっだんだどお!」 「うー!うー!」 涙目の二匹をよそに倒れた二体のバッジを確認する。 ふらんやれみりゃは町には滅多に現れない。 だとしたら飼いである可能性が高い。 運動もかねてゆっくりだけで散歩に行かせる可能性だってある。 「あーあ。やっぱりか」 二体のふらんにはゴールドバッジがあった。 傷ついたれみりゃ達には無い。 「うー…?」 「う゛あ゛ー!このふらんはばっじつきなんだどぉ!ごろざれじゃうどぉー!」 「う゛ー!」 うあー!と泣きだす二匹。 バッジシステムを知っていると言うことはこのれみりゃたちは野生ではない。 野良のれみりゃなど聞いたこともないし、と言うことはこいつらは飼いゆっくりだったのだろう。 「う゛ーっ!れみぃたちはもとかいゆっぐりなんだどぉ! でもごーるどばっじのこうしんしけんにおちてすてられたんだどぉ!」 「あらら…んで?」 「ぞんなばがなゆっぐりはいらないっで!ふらんをがってぎだんだどぉ!」 「あぁ、始末されてたわけね。納得。そっちのふらんは?」 「れみぃのいもうどなんだどー!ぺっとしょっぷからいっしょだったんだどぉ!」 「へー」 しかし希少種好きなのか?その飼い主。 つーか金持ちだな…。 「うん。わかった。でもバッジゆっくりに手を出した(のは自分だが)んだから殺されちゃうね」 「いやだどー!ぜっがぐだすがっだのにぃぃ!!」 「うー!」 「まぁまぁ。悪いようにはしないさ。俺の言うことさえ聞けばな」 れみりゃはかなり賢いゆっくりだった。 ショップで買えばかなりの高値がつくだろう。 こんなゆっくりを捨てるなんて、やはり金持ちの気持ちはわからん。 ポケットから常に持ち歩いてる胴バッジをれみりゃとふらんに取り付けてやる。 「う?」 「ブロンズバッジだ。最低ランクのバッジだけど、これでお前らは俺の飼いゆっくりだ」 「うー?」 「わからないか?金バッジが銅だろうと他人の飼いゆっくりに手を出したら…」 「!お仕置きなんだどー!」 「だから無かったことにするだろうな」 にやっとれみりゃに笑いかけてやる。 納得がいったようでれみりゃの表情もぱぁぁっと明るくなった。 うんうん、れみりゃに似合うのはこういう馬鹿面なんだよ。 特に泣き顔の後の笑顔はいいよね。 また泣かせたくなるって言うか。 「んじゃここで待ってろ。俺は腹が減って死にそうだ。すぐ戻ってくるから待ってろ」 「うー怖いけどがまんするどぉー」 また一点半泣きになるれみりゃ。 「や、待ってることも無いか」 普段から持ち歩いているエコバックを広げ、伸びているふらんをぶち込んだ。 「じゃ、ついて来い」 そう言った途端、れみりゃの顔がまた明るくなった。 あーもうなんだこいつ。食っちゃいたいくらいかわいい! 今は肉まんの気分じゃないけど。 「うっうー!ふらんーおねぇさまといっしょにおさんぽだどー!」 「うー!」 「あー夜も更けてっから静かにしろよ」 仕方ない、ついでにプリンも買ってやるか。 「ただいまー」 「おじゃましますだどー!(小声)」 「うー!(小声)」 「れみりゃ、靴脱げ。ここはこーまかんじゃなくて俺の家だ」 「わかってるどー」 もたもたと靴をぬぐれみりゃの周りをぱたぱたととぶふらん。 間違いなくこいつらはペット用に改良された高級ゆっくりだ。 性格は素直。知識や一般常識も幼児程度はそなわっている。 えさを与えれば与えるだけでかくなる普通のゆっくりとは違い、成長はある程度でとまる。 れいむ種でも22万もしたんだからこいつらは…。 うーん、そういう虐待プレイの一貫だったらどうしような。 まぁいいか。そんときゃそんときで。 「んじゃおまえら、この部屋にいろよ」 玄関から一番近い部屋に二匹を招き入れる。 「ご主人帰宅帰宅。夜中の間食は太りますよ?」 「じゃおーん」 「うるせ。あと新入りだ。仲良くしろよ」 適当にれみりゃとふらんを置いて、こいつら用の夜食も置いてやる。 れみりゃとふらんにぷりん。きめぇ丸にどらやき。めーりんには暴君ハバネロ。 「じゃおーん!」 「…ジョロキアは?と言ってます」 「売り切れだったんだよ」 「じゃおーん…」 しょんぼりしためーりんをひと撫でして扉を閉めた。 隣の仕事部屋へ移る。 未だにのびているふらんを取り出し、バッジを機械で読み取る。 機械の端末に飼い主の情報が映し出された。 目出 愛子…電話番号はっと、あったあった。 「あ、夜分遅くにすみません、私ゆっくりんぴーすの者でして、ええ。 お宅のふらんちゃんが公園で倒れていまして…はい、傷などは見当たりませんが…はい。 もし何かありましたらこちらのほうで手当てをしてもかまいませんでしょうか? えぇ、私ゆっくりブリーダーをしておりますので、はい。わかりました。 では明日一番にこちらに向かわれるとのことで…はい、お待ちしております。 こちらの住所はーーー」 任務完了。 どうやら飼い主さんに許可無く息子さんが外に逃がしたそうだ。 れみりゃたちの話は明日聞き出せたらで良いだろう。 藪をつついて蛇を出すのはごめんだ。 ふたん達は大きめの水槽に移しゆっくりフードも入れておく。 念のために体にオレンジジュースを刷毛で塗って後は放置だ。 あぁ、小麦粉もはたいて…と、これでよし。 あとは明日になるのをまとう。 さて、あとは湯を沸かして飯食って風呂入って寝よう。 …ラーメンはいまいちだった…。 風呂は大変だった。 主にれみりゃが。 「ご主人ご主人」 「どした?きめぇ丸」 「れみりゃたちの寝床はどうします?」 「あー…とりあえず俺といっしょに寝るか」 「では呼んできますね」 ぱたぱたと飛んでいくきめぇ丸。 あいつも傷ついて死に掛けていたところを保護したんだが、今ではすっかり元気になり こうしていっしょに生活している。 ペットというよりは仕事の助手のような扱いだ。 俺の仕事はゆっくりのブリーダーと調教だ。 ゲスに落ちたゆっくりを調教する、最近流行気味の仕事だ。 ゲスは人間に恐怖を抱かない。 それで役立つのがきめぇ丸達捕食種だ。 中でもきめぇ丸種は知能が高くこちらの意図通りに動いてくれ重宝する。 思えばいい拾い物だったなぁ、こいつも。 「ご主人、連れてきましたよ」 「うー…ふらんもおねぇさまといっしょがいい…」 「うぅー…れみぃからもおねがいしますー…」 「あーはいはい。かまわねえよ。じゃ、おやすみーきめぇ丸」 「はい。おやすみなさい」 「じゃおーん!」 「めーりんもお休み」 ドアから体半分だけ出してめーりんがニコニコしていた。 あいつも最近拾ったゆっくりだ。 他のゆっくりからいじめられていたところを保護。 ウチはこんなゆっくりばかりだな。 ベッドに横になる。 ついでにれみりゃも横に寝せ、ふらんは枕元に。 「んじゃおやすみ」 「うー!おやすみ!おねえさま!」 「ふ、ふらん!ふらんのおねーさまはれみぃなんだど!」 「おやすみ!おおきいおねえさま!」 「ぎゃーおー!れみぃにもごあいさつするんだどー!」 「面倒臭いなおまえ」 「ぞんだごどないんだどぉー!!」 「寝ろ」 「おねーさまうるさい!」 「どぼじでぞんなごというのー!?」 「ははは、悪い悪い。けどいじめたくなるんだよねー」 「うあー!れみぃはやさしくされたいんだどぉ!」 「はいはい、そんじゃおやすみ、れみりゃ」 れみりゃの頭を撫でてやる。 「うー…お休みなさい、だどぉ………おねーさん」 「おやすみ、おねーさま。おおきいおねーさま!」 「はいはい、おやすみ」 続く。 れみりゃ絵を描いたらか「次はふらんにいじめられるれみりゃを」と言われて 変な電波を受信してしまった。 れみりゃかわいいよれみりゃ。 風呂が大変だったのはれみりゃがおにーさんだと思い込んでいたためパニックを起こしたからです。 お風呂シーンは諸事情でカットしました(笑) 次はおねーさんのお仕事調教編を予定しています。 泣きめぇ丸も頑張るよ!コメントしてくれた人ありがとね!あまあまよりうれしいよ! トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る お姉さんだったんかい!?(前日憚SSが見当たらないから分からんかった) ↓×3 捕食種と言っても、通常種を襲うだけで食べないという設定が多い。 -- 2018-01-03 17 18 02 続きが気になるんだどー!続き待ってるどー☆ -- 2017-10-29 16 25 53 続ききになるなー 面白かった! -- 2017-01-05 17 29 06 きめぇ丸って補食種だったんですね。 -- 2016-11-25 15 18 28 癒されるわー。(笑) めーりんカワユス(笑) -- 2016-01-30 11 59 46 俺は通常種(れいむ、まりさ)虐待、希少種、捕食種愛でなんだけど、 こうゆうssあって良かったんだどお☆ -- 2016-01-30 11 58 19 あー、歩職種と希少種(めーりんって、希少種だっけ?)は、いやされる -- 2015-10-13 12 44 16 俺って言ってるからおねーさんじゃなくておにーさんじゃないですか?(笑) れみりゃとふらんは癒される! みょんとかも好きだけど、れみりゃが一番好きです!だどぉ! -- 2015-10-10 23 13 10 れみりゃとふらん可愛い~ -- 2015-08-13 02 37 07 れみりゃ愛ではゆっくりできるなぁ -- 2012-04-30 22 20 09 主人公寝るとこまで男かと思ってた! -- 2012-01-04 02 58 41 れみりゃは愛でても虐めても可愛い。 ゴミ饅頭は不快だから潰すけど、れみりゃは可愛いから虐愛でる。虐めるというよりいじるかな? ふらんとかきめい丸はそもそも虐めずに全力で愛でる。 -- 2011-11-12 06 54 08 虐待も愛でも両方好きな自分にはたまらん たまにはこういうのもいいよね! -- 2010-10-17 13 52 08 もう可愛すぎる -- 2010-10-15 15 54 34 いやぁ~れみりゃ愛では癒されるわ めーりんも可愛かった -- 2010-09-24 20 52 38 れみりゃ愛ではゆっくりできる -- 2010-06-27 23 53 53 ↓そうですねぇ。れみりゃをふらんが「おねーさま」って 呼ぶ、仲良し描写はやっくりできますねぇ。 -- 2010-06-16 05 53 47 やっぱりれみりゃがふらんをおねーさんだから庇うってのは可愛いなぁ -- 2010-03-02 02 01 29
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/164.html
発情期の野生のゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙を窓の無い白い4畳間ほどの部屋に閉じ込める そこが安全な場所であることを確認すると、やがて交尾を始める 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっゆっ!ゆ゙ーっ、ゆ゙ーっ!…」 白目を向き、歯を剥き出しに全身を強く痙攣させるゆっくり霊夢 次第にゆっくり霊夢は黒ずんで朽ち、頭から二本の蔓をのばしはじめる そして蔓から数個の子供達を実らせる 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 計5個の小さいゆっくり霊夢の赤ちゃん達 ゆっくり魔理沙も微笑みながら 「ゆっくりしていってね!」 と返事する ゆっくり魔理沙と一緒にその場でピョンピョン跳ね回るゆっくり霊夢の赤ちゃん達 夜にはみんなで大人のゆっくり魔理沙に寄り添いあって床につく、実にほほえましい光景である 「あしたもゆっくりしようね!」 「ゆっくりするね♪」 「ゆっくりするー♪」 翌日、起きた順に仲良く部屋の中を跳ね回るゆっくり達 「おはよう!きょうもゆっくりしていってね!」 「ゆっくり!ゆっくり!」 最後の1個が目を覚まし、みんなご機嫌だ しかし、部屋に閉じ込められてからというもの、食べ物が一つとして部屋に入れられて来ない 当然、部屋の中には蝶々もバッタも、それどころか水ひとつありはしない 遊び疲れておなかを空かせたゆっくり霊夢の赤ちゃん達もやがて騒がしくなってゆく 「ゆっくりできないよ!」 「おなかへったよ!」 「うー!うー!」 ゆっくり魔理沙もここに入れられてからずっとご飯を食べていない、ここには捕食できるものは何一つ無さそうだ 鍵のかかったドアを押してみるが開く様子は無かった 「おにいさん!ここからだして!ゆっくりしたいよ!おうちかえして!」 外に開放するよう訴えるゆっくり魔理沙 外の世界の存在など知らないゆっくり霊夢の赤ちゃん達はそれを不思議そうに眺める 叫んだらさらにお腹が減ってしまった…、しぶしぶとドアの前から立ち去る すると、ゆっくり魔理沙の視界に一緒に部屋に入れられたゆっくり霊夢の亡骸がとびこんできた おそるおそると口に運ぶゆっくり魔理沙、数日前一緒に行動を共にしたそれは予想外に美味しいものであった ゆっくり魔理沙が黙々とそれを食べている姿を真似し、次々とそれに口をつけていく赤ちゃんゆっくり達 「すごい!ゆっくりできるね!」 「あまあま♪」 ゆっくり霊夢の亡骸を平らげると、皆満足げに眠りに落ちていくのであった 翌日から、目を覚ましたゆっくり達はふたたび食糧難に悩むことになる 「おなかへったよ!」 「ゆっくりできないよ!」 しかし部屋には食べ物一つありはしない その状況が、1日、また1日と過ぎていく …そして4日間が経過した この間まで元気だったゆっくり霊夢の赤ちゃん達も静まり返ってしまっている 「おなか…へった…よ…」 「ひゅー…、ひゅー…」 育ち盛りの赤ちゃんが、生まれてから一度しか栄養を摂取せずにいたのだ、もはや餓死寸前の状況だ やがて、ゆっくり魔理沙の目に、もう意識の無いゆっくり霊夢の赤ちゃんが飛び込んでくる これだ これしかないのだ ゆっくり魔理沙はゆっくりと瀕死のゆっくり霊夢の赤ちゃんに近寄ると、頭から思い切りかぶりついた 「ゆ゙っ!ゆ゙!ゆ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ!!」 痛みで意識を取り戻す瀕死の赤ちゃん 「や゙め゙でよ゙お゙っ!ゆ゙っ゙ぐり゙じよゔよ゙おっ!」 必死に抵抗するが、先ほどまで瀕死で動くこともできなかった身である、大人のゆっくり魔理沙と体力の差は歴然だ 「ハァ、ハァ…うめぇ!めっちゃうめぇ!…ッハァハァ…!」 がしゅがしゅと涎を垂らしながら品もなく食事を続行するゆっくり魔理沙 ゆっくり霊夢の赤ちゃんは全身を強く痙攣させながら 「や゙めでぇ…」 と、うわごとの様に繰り返し続けた 「…っ!!…っ!!」 他のゆっくり霊夢達は恐怖で動くことすらできずにいた ここに生まれてからずっと一緒にゆっくりしてきたゆっくり魔理沙が 自分達をまとめてくれていた、ゆっくり魔理沙が 自分の仲間を襲い始めたのだ 食ったのだ 「がしゅがしゅ…ハァ…ハァ…!うめぇ!がしゅがしゅ…ハァハァ!」 ゆっくり魔理沙はゆっくり霊夢の赤ちゃんを綺麗に食べ終わると、大きなゲップを残し眠りにつく 残されたゆっくり霊夢の赤ちゃん達は部屋の隅に身を寄せ合い、恐怖に震えながらその晩を過ごすのであった 翌日、ゆっくり魔理沙は朝、昼、晩、と1個ずつゆっくりの赤ちゃんを食べていった 必死に抵抗されたが、所詮は赤ちゃんである、食べる程度造作も無い こんなにお腹が膨れたのは何日ぶりだろう、ここなら外敵に襲われる心配もないし、気兼ね無く睡眠をとることができる 「ゆっ♪ゆっ♪」 ご機嫌そうにゆっくり霊夢の赤ちゃんに近寄ってくるゆっくり魔理沙、その顔はどこか艶めいている すると突然、ゆっくり魔理沙は、震える最後のゆっくり霊夢の赤ちゃんに頬ずりをはじめた 抵抗する余力も無いゆっくり霊夢の赤ちゃんはおびえながら身を震わせる 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっくり!!」 突然強く身体を押し付けるゆっくり魔理沙 「ゆーっ!ゆーっ!ゆーっ!」 「…!!??」 息を荒くしてゆっくりの赤ちゃんのしかかる 「ハァハァ!…ゆっくりしていってね!」 そう、食欲と睡眠欲を満たしたゆっくり魔理沙が生殖行為をはじめたのだ しかし、相手はまだ生まれて間もないゆっくり霊夢の幼生である 「…!?…や゙っ…や゙め゙っ…ゆ゙っぐっ…!」 懸命にもがき、言葉を口にしようとするが、密着した魔理沙の体が邪魔してうまく喋ることができない 「い゙や゙あ゙あ゙゙あ゙っ!!」 行為に耐えられず悲鳴をあげる最後の赤ちゃん その顔は、白目を剥いて、口の横から泡が溢れ出して痙攣している 「ングッ…ハァハァ…!…ハァハァッ!ッゆっくりしていってねっ!!」 ゆっくり魔理沙は声をあげると、途端にぶるぶると小刻みに身体を震わせはじめた 生殖の開始である 「んい゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙っっ!!」 切なげな絶叫が部屋に響いていく… 行為が終了して数時間後、ゆっくり霊夢の赤ちゃんは黒く朽ちはて、その頭からは蔓がのび、数個の実をつけていた しかし、そのうち2個をのこして、他の実は全てドロ団子である そのドロ団子は小刻みに震え、口と思わしきところをパクパクとさせている そう、それは形状を完成させることができなかった奇形のゆっくりの子供達 まだ、ゆっくり霊夢が成長しきっていない体にもかかわらず、生殖行為を強要された結果である その状態では、恐らく生まれてから一日と持つことはないだろう やがてボトボトと蔓から子供達が落ちてくる 衝撃で2個の元気なゆっくり霊夢の赤ちゃんが目をさます 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 ゆっくり魔理沙の挨拶に答える2個のゆっくり霊夢の赤ちゃん達 3個は笑顔でその場をピョンピョン跳ねる それはいつかのような、微笑ましい光景であった ~ゆっくり永久機関~ END 選択肢 投票 しあわせー! (0) それなりー (5) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/380.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 170 相棒/コメントログ」 とかいは系はおもしろいな -- 2010-06-19 06 40 20 「しょうらいは、きっとすっきりがとくいなとかいはゆっくり」 ただのレイパー予備軍だろww -- 2010-06-27 01 44 40 これはすごくすっきりしたわ やっぱレイパーは殺されるべきだね -- 2010-10-14 23 10 24 「ゆっ、ゆっくりごろじのじじいはじねえええええ!!!」 まりさ殺しといてどの口がそれを言うか。 -- 2010-11-23 16 50 11 ペット(人間の所有物)にちょっかいを出さなければ、今頃公園の野良ゆっくりですっきりし放題だっただろうにw 愚かなありす一家ww -- 2018-01-04 23 50 04
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2754.html
過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 775 ゆっくりと黒豆 ふたば系ゆっくりいじめ 911 ゆっくりとお預かり ふたば系ゆっくりいじめ 930 ゆっくりとバレンタイン ふたば系ゆっくりいじめ 1031 ゆっくりと津波 ふたば系ゆっくりいじめ 1132 ゆっくりと毛皮のフード 作:しがないあき 『ゆっくりと寒の戻り』 私はしがない虐待お兄さん。 現在は冬物のコートをクローゼットから引っ張り出し、愛犬・ミニチュアダックスのポチと夜の散歩中である。 ここ数日は寒の戻りだと天気予報が言っていた通り、四月だというのに寒い日が続いている。 だが、寒いからといって散歩はお休みにはならない。 犬は喜び庭駆け回りとは雪の事だが、この程度の寒さでもやはりポチは元気一杯なのである。 「ゆゆっ! じじい、れいむはしんぐる(ry」 ……ゲスが沸く事に定評がある近所の公園付近を散歩コースから外すべきか本気で迷う。 何せ、最近は今のように野良のゆっくりから絡まれる事が少なくないのである。 私一人なら即ヒャッハータイムに突入なのだが、如何せん私の隣には尻尾を振ってれいむを歓迎モードのポチがいる。 お陰で私は攻撃出来ないのだが……むしろ最近は、ポチを連れている時を狙ってきているのではないかとすら思う始末である。 「じじい、むししないでね! れいむはしんぐる(ry あまあまを(ry」 それにしても、相も変わらず脳内お花畑な饅頭である。 ここ数日は冬に逆戻りしたみたいな気候だというのに、頭の中が春真っ盛りとは羨ましい事この上ない。 「……テンプレ台詞はもう聞き飽きたぞ。ていうか寒いのによくそんなに動けるな、お前」 「ゆっ? なにいってるの? いまははるさんなんだよ? ふゆさんはもうおわったんだよ? じじいはばかなの? しぬの?」 今の台詞もそうだが、こいつの声のトーンからさり気ない嘲笑を含めた表情まで、もう全てがムカついて仕方がない。 ポチがいなければ即刻ミンチにしてやりたいくらいである。 ……それはともかく、こいつはまさか寒さを感じていないのだろうか? 「はるさんはとてもゆっくりしているんだよ! ぽかぽかしてあったかくてしあわせーなんだよ!」 「いや、確かに今は春だが、ここ数日は普通に寒いだろ。天気予報でも気温が五℃とか言っていたし……」 「ゆゆっ? ……いわれてみれば、なんだかさむくなってきたよ……」 ……まさかこいつ、春が来たと思い込んでいる為にここ数日の寒さに気付いてなかったのだろうか? 「……ゆわわわわ! さっさささ……さぶいいいいいいいいいいい!」 「こいつ、本当に寒さに気付いてなかったのか……」 恐らくは、ゆっくり特有の"思い込み"の作用だろう。 ゆっくりは人間に比べても凄まじく思い込みが激しく、それがモロに自身に影響するものである。 ご飯を十分に食べていても餓えを感じれば途端に餓死するし、逆に明らかに致命傷を負っていてもそれに気付かず生きている事もある。 まあ、要するにいい加減な生物なのである。 だから、即凍死するような氷点下という訳でもない現在の寒さ程度なら、素で気付いてなくても不思議ではないのだろう。 何せこいつは今の今まで、"もう春が来ているのだから寒い筈がない"と思い込んでいたのだから。 「どっどぼじで!? れいむはさくらさんをむーしゃむーしゃしたよ!? たんぽぽさんだってむーしゃむーしゃしたんだよ!?」 「春は来てるけど寒さが戻ったって事だろ……冬が戻ってきたと言うべきか? まあ、今まで気付かなかったのがすごいな」 「さ、さむいよぉ……どうしてふゆさんかえってきたの……? れいむ、もうおうちかえる……」 ガチガチと歯を鳴らし、れいむは近所の公園の中へ撤収していく。 いつもながらの饅頭のアホさを楽しんだ私は、ポチを連れて帰路に着いた。 ※ ※ ※ 亡きまりさの忘れ形見である子れいむと子まりさのご飯を探しに出たれいむは、結局何も手に入れる事なく公園の住処へと帰ってきた。 しかも、まるで真冬のようにガタガタと体を震わせながらである。 「ゆ、ゆっくりただいま……」 「「ゆっくりおかえりなさい、おかあさん!」」 「お、おちびちゃん……きょうはごはんはないけど、おかあさんとすーりすーりしようね……」 ダンボールを横倒しにしただけの簡素極まりない自宅に入り、両脇に子れいむと子まりさを侍らせるれいむ。 「すーり、すーり……おかあさん、あったかいね!」 「すーり、すーり……ゆゆーん! ごはんがなくても、まりさとってもしあわせーだよ!」 二匹の子ゆっくりは、最愛の母とのスキンシップに幸せ全開である。 ……が、二匹の真ん中に陣取るれいむの方はというと―― 「お、おちびちゃん! もっとおかあさんにくっついてね! もっとすーりすーりしてね!」 「「ゆっ……ゆゆっ?」」 と、更なるすりすりを要求する始末。 「お、おかあさんどうしたの?」 「おかあさん、なにかゆっくりできないの?」 明らかに通常に比べて過剰な……まるで、真冬の一番寒い頃のようなその要求は、二匹の子ゆっくりを困惑させ始めていた。 二匹がスキンシップの為でなく、むしろ摩擦熱を生じさせんが為にすりすりを繰り返し始める中で、歯をカチカチと鳴らすれいむ。 なにか、ゆっくりできない――その思いは、確実に伝染していく。 「すーり、すーり……さっささままままままま……」 「すーり、すーり! おかあさん、そんなにふるえてだいじょうぶ!?」 「すーり、すーり! おかあさん、ゆっくりしてね!?」 目を見開き、歯茎を剥き出しにして強張るれいむの両脇で、二匹の子ゆっくりの懸命のすりすりは続いていた。 だが、家がフタもしていないダンボール箱では、隙間風どころか冷たい風がもろに直撃する。 たかが子ゆっくりのすりすり程度でれいむの体温が上昇する筈も無く、むしろ益々下がっていくばかりなのである。 「さ、さむいよぉ……」 「おかあさん、ゆっくりしてね!? いまはもうはるさんだよ! さむいさむいふゆさんはもうおわったんだよ!?」 「おかあさん、きのういっしょにさくらさんをむーしゃむーしゃしたよね! ゆっくりしてね!?」 「お、おちびちゃん……いまはね、またさむくなってるんだよ……ふゆさんがかえってきちゃったんだよ……」 「「……ゆ?」」 れいむの告げた衝撃の一言に、ただでさえ絶望的に動作不良の餡子脳が完全に停止する子れいむと子まりさ。 だが、目の前のれいむの震え方は……今にして思えば、寒がっているのか……は、やがて今の一言と結ばれていく。 「……そういえば、なんだかれいむもさむいきがしてきたよ……」 「ま、まりさも……さむいよ……」 冬型の気圧配置に逆戻りしてから二日目を迎え、ようやくれいむ一家は世間の反応に追い付いた。 ……勿論、それは破滅の始まりを意味するのであるが。 ヒュオオオオオ…… 「さっさっさっさまままままままままあ!?」 「さむいよおおおおおおおおおおおおお!?」 「さむいいいいいいいいいいいいいいい!?」 今までに無い強く冷たい風が公園を吹き付け、ダンボールの家の中で飛び上がるれいむと子ゆっくり二匹。 "春だから寒くない"という思い込み……言わば彼らの最初で最後の盾が粉砕した今、もはやこの場は地獄と化した。 「お、おちびちゃん! すりすりしてね! おかあさんをすりすりしてね!」 「おかあさん、まりさ! れいむのよこですりすりしてね! れいむさむくてしにそうだよ!」 「まりさをすりすりしてね!? まりささむいのいやだよ!」 狭苦しいダンボールの中で彼らが取った行動は、傍から見れば押し競饅頭。 ……よく見てみれば、三匹の真ん中を陣取り、風除け確保&両脇ですりすりさせての体温確保を狙って押し合っているだけなのだが。 「おちびちゃん、おかあさんはさむいさむいでつらいんだよ! ゆっくりりかいしてすりすりしてね!」 「なにいってるの!? れいむはさむいんだよ! かわいそうなんだよ! だかられいむをすりすりしてね!」 「まりさはさむくておなかまですいてるよ! おかあさんはごはんをもってきてね! れいむはまりさをいっぱいすりすりしてね!」 「ゆゆっごはん! おかあさん、れいむにきょうのごはんをはやくもってきてね! たくさんでいいよ!」 「こんなにさむいのにごはんなんてさがせるわけないでしょおおおおおおおお!? ゆっくりりかいしてねええええええ!?」 「「ごはんもさがせないなんておかあさんはげすだね! こどもがかわいくないの!?」」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおお!?」 ヒュオオオオオ…… 「「「さっさっさっ……さむいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」」」 互いに温めあう事すら忘れて罵り合う親子には、なおも冷たい風が吹き付ける。 風は喧嘩を一時仲裁し、そしてその直後に再び争いを生み出すのだが……幸いな事に、この風はこの晩、休む事無く吹き荒ぶ事になる。 ※ ※ ※ 私はしがない虐待お兄さん。 先日の寒い一日から一夜明け、早速今朝もポチとの散歩中である。 出勤前のこの散歩にもすっかり慣れた物だ。朝早くに散歩とは少々年寄り臭い気もするが、今や私の生活の一部になっている。 ――おっと、近所の公園の入口に行き倒れゆっくりを発見。 ポチが近寄らないようにリードを短く持ってゆっくりに近付いていく……成体のれいむと、子ゆっくりのれいむとまりさのようだ。 三匹とも見るからに色が白くなっている……間違っても美白ではなく、顔面蒼白という意味で。 恐らくはここ数日の寒さにやられ、公園から逃げ出そうとして力尽きたと言った所か。 「……たす、け……」 おお、成体のれいむはまだ息があるらしい。とは言っても虫の息だが。 「……きのうの、じじい……さむいよ……」 ……何だ、こいつはどうやら昨夜の散歩で出会ったれいむらしい。 この分だとあの後、たっぷりと寒の戻りを満喫出来たようだ。 「じ、じい……れいむのさむさをなんとかしてね……あまあまもだよ……そこのげすにはなにもあげなくていいから……」 ……昨日れいむはシングルマザーだよ(キリッっとか言っていたのを見るに、横の子ゆっくり二匹はこいつの子供なのだろう。 母性溢れるれいむ種らしいほのぼのとしたお願いである。 ここはれいむの目の前で子ゆっくりをたっぷり厚遇してやるのが適切なのだが…… 「まあ、お前の子供には何もやらんよ。そいつらもう死んでるし……」 「ゆ? ……ゆへへ……げすはしんだんだね……れいむをゆっくりさせなかったけっかがこれだよ……」 うーむ、台詞を聞くだけで昨晩の一家の奮闘ぶりが目に浮かぶようである。 それによく見ると三匹とも体のあちこちに傷がある。 わざわざリスクの高い寒い時に親子で血みどろの喧嘩をするとは、さすがはゆっくりだ。 「……じじい……あまあまを……れいむ、さむいよ……」 それにしても余程寒いのだろうか? 何でまだ生きているのか不思議な位に色が白い。 饅頭である事を考えれば皮膚の色として適切な気もするが、それでも欠片も食欲が沸かないのが不思議である。 「……フーッ」 「ゆっぴぉおおおおおおおおお!?」 れいむの前に屈み込んで、口から思いっきり息を吹きかけてみたのだが……凄い悲鳴である。 ポチが怖がらないかと慌てて振り返ったが、ポチは頭上のモンシロチョウを尻尾を振って見つめていたのでセーフだった。 しかし、寒がっているので嫌がらせのつもりで息を吹きかけてやったのに、下手な虐待より凄い悲鳴を聞けるとは予想外である。 「さ、さむさむさむさむさむ……」 「フーッ!」 「ゆっぴっぷっ!?」 もう一度、さっきより強く息を吹きかけてやると、今までに聞いた事がないような悲鳴を上げて硬直するれいむ。 ……そのまま全然動かなくなってしまった……まさかとは思うが……やはり、死んでいた。 氷漬けにされたような白さ、顔のあらゆる場所を刻み込んだ深い皺、見開かれた両の眼……れいむの最期は、あまりに壮絶な物だった。 単に冬場に凍死したゆっくりに比べても、実に無残なその姿。 春を謳歌している最中に真冬同然の寒さに晒されたという落差の結果なのか……これは、今後の虐待で試してみたいと思う。 何にせよ、息を吹きかけただけでゆっくりが死んだというのは、虐待お兄さんとして箔が付くのではないだろうか。 私がれいむ親子に別れを告げた時、ポチもまた、頭上のモンシロチョウとお別れの時間を迎えていた。 ヒラヒラと去っていく蝶を少し寂しそうに見ているが、私が歩くのを再開すれば、途端に走って横をぴたりと行進する。 ポチの姿を見ていると、今日もまた、夜の散歩まで一生懸命働こうと思えるものだ。 それにしても、ゆっくりの思い込みがこれ程の面白い事態を引き起こすとは……私は内心声を出して笑いたいのだが、必死に堪えていた。 子ゆっくりがいつ死んだのかは定かではないが、少なくとも今この場で死んだれいむはもうアホとしか言いようがないのである。 ゆっくりの"春なのに寒くなった"という思い込みの酷さは……本当に笑うしかない。 ちなみに、現在の気温は十五度。凍死するには程遠い、実に穏やかな晴れの天気だった。 【完】 このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! ◆SS感想掲示板 10作品未満作者用感想スレへ ※書き込む時はSSのタイトルを書いて下さい。 コレをコピーしてから飛びましょう→『ふたば系ゆっくりいじめ 1319 ゆっくりと寒の戻り』 トップページに戻る